ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 牛群再構築は継続も、肉牛取引価格は大幅下落
牛飼養頭数は増加も、労働力不足が引き続き課題
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2022年6月、最新の牛肉生産量などの見通しとなる「Industry projections 2022-June update」を公表した(表1)。肉牛価格は6月に入り大幅に下落
肉牛生体取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、2022年6月に入って大幅に下落し、同月28日時点で1キログラム当たり1028豪セント(986円:1豪ドル=95.90円(注))と21年9月以来の水準になった(図)。一方、現地報道によると、中長期的な価格見通しとして、牛飼養頭数が回復する中で、牧草の生育に良好な天候が継続し、安定した需要が見込まれることから、今後2〜3年の間はEYCI価格が同1000豪セント前後で推移する可能性があるとする研究機関の報告が紹介されている。牛肉輸出量、日本向けは増加
豪州農業・水・環境省(DAWE)によると、2022年5月の牛肉輸出量は7万9995トン(前年同月比4.6%増)とやや増加した(表2)。現地報道によると、輸出市場では世界的な物流の混乱によりコンテナの確保が引き続き困難な状況にあり、物流や港湾の安定的な操業が課題であるとされている。このような中で、同月の日本向けは2万5606トン(同17.1%増)と大幅に増加し、前月比でも約1.8倍に増加している。