令和4年6月の生乳生産量は、64万2872トン(前年同月比0.4%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。地域別に見ると、北海道は36万3835トン(同0.8%増)と前年同月をわずかに上回ったが、都府県は27万9037トン(同0.3%減)と前年同月並みとなった。
4年6月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、34万3416トン(同2.4%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向け処理量については、2万3703トン(同6.4%減)とかなりの程度下回った。
乳製品向けは、29万5578トン(同3.8%増)と前年同月をやや上回った。品目別に見ると、クリーム向けは、5万8234トン(同0.2%増)と前年同月並みとなる一方で、チーズ向けは3万9559トン(同5.2%増)、脱脂粉乳・バター等向けは、14万9698トン(同5.3%増)といずれも前年同月をやや上回った。
バターの生産量は、6234トン(同9.0%増)と、前年同月をかなりの程度上回った。6月末の在庫量は、4万1761トン(同1.1%減)と、前年同月を2カ月連続で下回った。
脱脂粉乳の生産量は、1万2732トン(同5.5%増)と前年同月をやや上回った。6月末の在庫量(当機構在庫を含む)は、10万4055トン(同15.2%増)と前年同月をかなり大きく上回り、3カ月連続で10万トンを超えたが、前月の10万4203トンからはわずかに減少した(農林水産省「牛乳乳製品統計」、独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
また、一般社団法人Jミルクが令和4年7月29日に公表した「2022年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題について」によると、令和4年度末の在庫量は、バターが3万8100トン(前年度比3.8%減)とやや下回ると見込まれているものの、脱脂粉乳は、関係者などによる在庫解消対策を考慮しても、10万3900トン(同6.3%増)と前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。
バターの消費量、前年比10.3%増
当機構が国内乳業メーカーなど13社を対象に調査しているバターの6月の消費量をタイプ別で見ると、バラは、2067トン(前年同月比31.4%増)と前年同月を大幅に上回り、ポンド・シート等は、2349トン(同10.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2、3)。家庭用バターは、1600トン(同9.1%減)と前年同月をかなりの程度下回っているが、業務用バターの大幅な増加を受け、合計の消費量は、6016トン(同10.3%増)とかなりの程度上回った(図4)。