ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 2022年の豚肉生産量、前年比6.4%増の見込み
豚肉生産量、増加傾向で推移
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は3月29日、2022年のメキシコの豚肉需給見通しを発表した。これによると世界的な燃料・飼料費の高騰などインフレが進む中で、22年の豚肉生産量は158万トン(前年比6.4%増)とかなりの程度増加すると予測されている(表1)。メキシコでのCOVID−19対策として実施されたレストランなど外食産業への規制が緩和されたことによる国内需要の高まりや、米国をはじめ世界的な需要量の増加が主な要因とされている。豚肉生産量の増加が予測される中でメキシコでは、中米で発生したアフリカ豚熱の侵入リスクの高まりを受け、主要養豚地域である中部ハリスコ州の中小生産者を対象に、保険基金の設立に向けた協議や異なる地域への豚群の分散化によるリスク軽減への取り組み、バイオセキュリティの強化が行われている。生体豚価格、上昇傾向で推移
USDA/FASによると、メキシコではCOVID-19からの回復により、一世帯当たりの豚肉消費が増え、2022年の消費量は245万トン(前年比6.3%増)とかなりの程度増加すると予測されている。メキシコの豚肉消費の特徴として、ビステク(薄切りしたステーキ肉)、ポークチョップ(骨付き肉)、もも肉の切り落としなどの低価格部位の消費が7割近くを占めているが、さらなる食品価格の高騰によっては消費の伸びが抑えられる可能性もあるとされている。1〜4月の豚肉輸出量、日本、米国向けが増加も全体では減少傾向で推移
USDA/FASによると、2021年の豚肉輸出量は23万1000トン(前年比2.3%増)とわずかに増加したが、22年1〜4月の輸出量は6万6100トン(前年同期比25.0%減)と大幅に減少している(表2)。これは、前年の輸出量が第2位であった中国向けが、同国内生産の回復から輸入需要が減退し、5500トン(同84.9%減)と大幅に減少した影響が大きい。一方で、主要輸出先である日本向けは4万5500トン(同12.6%増)、米国向けは1万3200トン(同49.6%増)とそれぞれ増加し、メキシコ産豚肉に対する需要は堅調である。