ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 乳製品輸出量は減少も、世界的需要の高まりから輸出額は増加
2022/23年度の生乳生産量は、前年並みでスタート
ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2022/23年度(6月〜翌5月)の幕開けとなる22年6月の生乳生産量は、23万4000トン(前年同月比同)と前年並みとなった(図1)。ニュージーランド証券取引所(NZX)によると、秋期(3〜5月)に分娩を終えた牛群が6月の良好な放牧環境を享受したことで生乳生産量が回復し、21年8月から続いた10カ月連続前年同月割れに歯止めがかかったとしている。乳製品輸出量、主要3品目が前年同月を下回る
ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2022年6月の乳製品輸出量は、バターおよびバターオイルを除く主要3品目でいずれも前年同月を下回った(表1、図2)。品目別に見ると、脱脂粉乳は、アラブ首長国連邦やインドネシア向けが前年同月を上回ったものの、最大の輸出先である中国向けが同2割程度減少したことで、全体でやや減少した。全粉乳は、最大の輸出先である中国向けをはじめ、主要輸出先のタイやスリランカ向けなどが落ち込んだことから、全体でも大幅に減少した。バターおよびバターオイルは、ベトナムやフィリピンなど東南アジア向けが前年同月を下回ったものの、最大の輸出先である中国向けをはじめ、日本や韓国向けが大幅に増加したことを受けて、全体ではやや増加した。チーズは、日本向けが前年同月を上回ったものの、豪州、中国、韓国向けなどが大幅に落ち込んだことで全体でも大幅に減少した。GDT価格は、主要4品目すべてが前回より下落
2022年7月19日に開催されたGDT(注3)の1トン当たりの平均取引価格は、主要4品目すべてで前回開催(同年7月5日)時から下落した(表2、図3)。NZXはこの理由として、COVID-19の拡大により、中国での乳製品需要の低迷が継続しているほか、スリランカの経済不安や北半球の市場参加者が夏休みに入ったことで需要が非常に少ない状態でオークションが開始されたためと推測している。