1 令和4年7月の牛肉生産量は、3万88トン(前年同月比2.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5049トン(同0.5%増)とわずかに、交雑種は7696トン(同10.5%増)とかなりの程度前年同月を上回った一方、乳用種は6901トン(同2.7%減)とわずかに前年同月を下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較でも、0.7%増とわずかに上回る結果となった。
2 7月の輸入量は、冷蔵品は、為替相場の影響などにより米国をはじめ各国からの輸入量が減少し、1万9508トン(同21.8%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。一方、冷凍品は、前年同月の輸入量が現地価格の上昇などにより少なかったことに加え、為替相場の影響はあるものの、買い付けを増やしたタイミングであったことや、入船が重なったことなどから米国産、豪州産などの主要国からの輸入量が増加し、3万2453トン(同20.0%増)と前年同月を大幅に上回った(図3)。この結果、全体では5万1999トン(同0.0%減)と前年同月並みとなった。
なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は21.1%減と大幅に、冷凍品は1.8%減とわずかに、いずれも前年同月を下回る結果となった。
3 7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は173グラム(同11.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較でも、6.3%減とかなりの程度下回る結果となった。
一方、外食産業全体の売上高は、3月の行動制限解除以降、回復基調にあった店内飲食が、7月後半の新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の第7波の拡大に伴い失速したものの、営業制限のあった前年同月と比べ14.5%増とかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、テイクアウト・デリバリーの堅調さに加えて、価格改定による単価上昇などから、同8.0%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風は、昨年来の価格改定や季節メニューの好調で客単価が上昇し、同10.2%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、新型コロナウイルス感染者の急増で都心部や駅前立地は特に苦戦し、郊外店でも客足の伸びが鈍くなったものの、月全体で見れば前年と比べ好調を維持しており、同31.7%増と前年同月を大幅に上回った。
4 7月の推定期末在庫は、15万599トン(同15.5%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図4)。このうち、輸入品は13万7347トン(同17.6%増)と前年同月を大幅に上回った。
推定出回り量は、7万3260トン(同6.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万9008トン(同1.9%増)とわずかに上回った一方、輸入品は4万4252トン(同11.0%減)とかなり大きく下回った。
(畜産振興部 大内田 一弘)