22年上半期豚肉輸出量、ラテンアメリカ向けが好調

　一方で、同省全国農業統計局（USDA/NASS）によると、豚肉生産量が減少しながらも、22年7月末の豚肉の冷凍在庫量は24万448トン（同20.0%増）と前年同月を大幅に上回った。これは、前年に比べ輸出が減少していることで、輸出向けの在庫の積み増しが影響している。

7月の豚肉卸売価格、前年同月比0.7%高
　夏場に向けた季節的な需要が旺盛な中、豚肉供給量の減少により、2022年7月の豚肉卸売価格（カットアウトバリュー）は、100ポンド当たり120.6米ドル（1キログラム当たり371.24円：1米ドル＝139.63円^（注）、前年同月比0.7%高）と、2カ月連続で上昇し、21年6月以来の高値を記録した（図2）。

 _{（注） 三菱UFJリサーチ＆コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年8月末TTS相場。}

6月の豚肉輸出量、前年同月比5.8%減
　USDA/ERSによると、2022年6月の豚肉輸出量は24万900トン(前年同月比5.8%減)とやや減少し、同年1〜6月の上半期の累計では142万8400トン(前年同期比17.8%減)と大幅に減少した（表）。中国向け輸出量の大幅な減少が要因であるが、他の主要輸出先については、メキシコ向けの6月の輸出量が、引き続き旺盛な需要などにより8万500トン（前年同月比6.3%増）とかなりの程度増加した。コロンビア向けも1万4600トン（同91.5%増）と大幅に増加し、本年の単月での輸出量としては最多となった。一方で日本向けは4万3300トン（同7.6%減）とかなりの程度減少し、1〜6月の累計でも前年同期比11.5%減とかなり大きく減少している。また、6月の韓国向けは2万2900トン（同13.3%増）とかなり大きく増加したが、1〜6月の累計では前年同期比4.5%減とやや減少している。上半期のアジア向けの減少についてUSDAは、ドル高で推移する為替相場から米国産豚肉の競争力が低下し、スペインやオランダなどEU産冷凍豚肉へのシフトが進んだことなどが要因と分析している。