トウモロコシおよび大豆の価格動向

国産トウモロコシ価格、需給の緩みから弱含みで推移
　中国農業農村部は8月19日、「農産物需給動向分析月報（2022年7月）」を公表した。この中で、2022年7月の国産トウモロコシ価格は、2カ月連続して下落傾向で推移している（図1）。国内のトウモロコシ需給の動向を見ると、供給面では、7月は降雨が多く保管費用と輸送費がいずれも上昇したことで、穀物保有者の多くが積極的に販売しており、市場への供給量は増加している。一方で需要面は、末端需要者の在庫水準が高く、トウモロコシ加工企業の多くがメンテナンスのために工場を閉鎖したことで、供給の過剰から需給は全体的に緩んでいる。このため、短期的には国産価格は弱含みでの推移が予想されるが、大きく下落する可能性は低いとみられている。 　各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、7月が1キログラム当たり6.16元（125円、前年同月比9.7%高）と引き続き高い水準にある。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同6.52元（133円、同7.5%高）と同じく高い水準で推移している。国産大豆と輸入大豆との価格差は、大豆国際相場の下落などから拡大し、同1.60元（33円）となった。
　このような中で、大豆の輸入量は高い輸入量を記録した前年から減少しつつも比較的高い水準で推移している。22年（1〜6月）の輸入量は4628万トン（前年同期比5.4%減）、輸入額は世界的な穀物相場高騰の影響から同18.0%増の299億7700万米ドル（4兆1857億円：1米ドル＝139.63円^（注））と報告されている。

_{（注） 三菱UFJリサーチ＆コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年8月末TTS相場。}