7月の生乳生産量、前年同月比1.0%増
令和4年7月の生乳生産量は、64万5487トン(前年同月比1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。地域別に見ると、北海道は37万1890トン(同1.5%増)と前年同月をわずかに上回ったが、都府県は27万3597トン(同0.3%増)と前年同月並みとなった。
7月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、34万4470トン(同1.1%増)と前年同月をわずかに上回った。このうち、業務用向け処理量については、2万3971トン(同8.8%減)とかなりの程度下回った。
乳製品向けは、29万7212トン(同1.1%増)と前年同月をわずかに上回った。品目別に見ると、クリーム向けは、5万9936トン(同5.1%減)と前年同月をやや下回った一方で、チーズ向けは4万2014トン(同8.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、14万4513トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
バターの生産量は、5718トン(同2.8%増)と、前年同月をわずかに上回った。7月末の在庫量は、4万1024トン(同2.5%減)と、前年同月を3カ月連続で下回った。
脱脂粉乳の生産量は、1万1875トン(同3.5%減)と前年同月を16カ月ぶりに下回った(図2)。7月末の在庫量は、9万9881トン(同11.6%増)と前年同月をかなり大きく上回ったが、4カ月ぶりに10万トンを下回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」、独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
酪農品の輸出量、前年同期比44.7%増
令和4年8月5日に農林水産省が発表した「農林水産物輸出入情報(令和4年6月分)」によると、本年上期(1〜6月)における酪農品の輸出量は、1万3243トン(前年同期比44.7%増)、輸出額は、103億8789万円(同22.2%増)と前年同期を大幅に上回った(図3)。国別に見ると、輸出額ベースで、最大の輸出相手国はベトナムであり、同国向けの輸出額は、49億4847万円(同17.1%増)、輸出量は、3265トン(同23.3%増)と前年同期を大幅に上回った。そのうち、乳幼児用調製品が、3010トン(同19.7%増)と全体の約9割を占めた。
上期累計を品目別に見ると、牛乳・部分脱脂乳は、4118トン(同12.9%増)と前年同期をかなり大きく上回り、粉乳等は、7433トン(同75.4%増)と前年同期を大幅に上回った。粉乳等の内訳を見ると、乳幼児調製品は、4458トン(同9.1%増)と前年同期をかなりの程度上回っているが、その他の粉乳は、153トンから2975トンと大幅に増加しており、これは生・処による対策や円安などが要因とみられる。
(酪農乳業部 山下 侑真)