米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2022年8月12日、22/23年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界のトウモロコシ生産量は11億7961万トン(前年度比3.2%減)と前月から629万トン下方修正され、前年度をやや下回ると見込まれている。地域別に見ると、7月下旬の降雨により単収の増加が見込まれるウクライナの他、ロシアなどで生産量が前月から上方修正されたが、米国やEUで減産が見込まれ、特にEU各地で猛暑と乾燥により作柄の見通しが悪く、生産量は6000万トン(同15.5%減)と前月から800万トン下方修正された。その他の主要国の生産量はいずれも前月から据え置かれた。
輸入量は、世界全体で1億7978万トン(同0.7%増)と前月から270万トン上方修正され、前年度からわずかな増加が見込まれている。地域別に見ると、EUは減産を背景に前月から300万トン上方修正され、1900万トン(同18.8%増)と大幅な増加が見込まれている。
消費量は、世界全体で11億8477万トン(同1.3%減)と前月から47万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。地域別に見ると、ウクライナやロシアで前月から上方修正されたが、米国やEUで下方修正された。最大の消費国である中国は2億9500万トンと前月から据え置かれた。
輸出量は、世界全体で1億8562万トン(同7.4%減)と前月から305万トン上方修正されたものの、前年度からかなりの程度減少が見込まれている。地域別に見ると、米国で63万トン、EUで200万トン前月から下方修正された。一方で、ロシアで20万トン、ウクライナで350万トン上方修正されたことで、これが吸収される形となった。
この結果、期末在庫は3億668万トン(同1.7%減)と前月から626万トン下方修正され、前年度からわずかな減少が見込まれている。
(調査情報部 針ヶ谷 敦子)