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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2022年11月号

4年9月の鶏卵卸売価格、8カ月ぶりに前年同月を上回る

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 令和4年9月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり223円(前年同月比10円高)と8カ月ぶりに前年同月を上回り、直近5カ年の9月の同価格の中で最も高い水準となった(図1)。
 卸売価格は、例年気温の上昇に伴い低下し、夏場の低需要期に底を迎え、最需要期の年末に向けて上昇する傾向がある。本年9月も学校給食の再開や大手ファストフードチェーンのプロモーションなどにより、同価格は上昇基調となった。
 9月の日ごとの推移を見ると、215円で月初をスタートして段階的に上昇して、月末には230円となり、上昇幅は15円となった。
 今後について、供給面は、高病原性鳥インフルエンザ(以下「HPAI」という)の発生リスクや生産コスト上昇などの懸念はあるものの、気温の低下に伴い、卵重の増加や産卵率の上昇による増加が見込まれる。
 需要面は、外食需要が回復基調にあることに加え、最需要期に向けて家計消費、業務・加工用需要ともに増加が見込まれる。


8月の家計消費購入数量、前月から前年同月を下回る
 鶏卵は消費量全体の約5割が家計消費、約3割が業務用、残りの約2割が加工用へ仕向けられているとされており、令和2年以降、鶏卵の家計消費はCOVID−19による巣ごもり需要により増加したものの、令和2年から4年に向かって徐々に落ち着きが見られる。
夏場にかけては梅雨や高温などで、鶏卵消費は減少する傾向にあり、8月の家計消費の動向を見ると、前述の傾向の通り877グラム(前年同月比4.2%減)と前年同月をやや下回った(図2)。
 ただし、COVID−19発生前の過去5カ年(平成27年〜令和元年)の8月平均である837グラムと比較すると、4年の同月の購入数量の割合は4.8%増とやや上回った。また、5・6月を除き、1〜8月すべての月でCOVID−19発生前より上回っており、引き続き高い水準にある。
 

(畜産振興部 生駒 千賀子)