7月の生乳出荷量、前年同月比0.5%増
欧州委員会によると、2022年7月の生乳出荷量(EU27カ国)は、1257万4270トン(前年同月比0.5%増)と11カ月ぶりに前年同月をわずかに上回った(表)。
同月の生乳出荷量を国別に見ると、オランダ(同3.5%増)、ポーランド(同5.8%増)、アイルランド(同1.0%増)が増加した一方で、出荷量上位のドイツ(同0.6%減)がわずかに減少し、フランス(同0.2%減)、イタリア(同0.1%減)は前年同月並みとなった。
また、22年8月の生乳取引価格(EU27カ国の平均)は、100キログラム当たり51.95ユーロ(7471円:1ユーロ=143.82円
(注1)、前年同月比42.7%高)と依然として最高値を更新しており、18カ月連続で前年同月を上回っている(図1)。
(注1) 三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年9月末TTS相場。
1〜7月期のクリーム生産量、前年同期比増
欧州委員会によると、2022年1〜7月のEUの主要な乳製品の生産量は、クリームが前年同期比1.1%増となった一方で、バター(同1.9%減)、脱脂粉乳(同2.3%減)、全粉乳(同4.3%減)、チーズ(同1.0%減)はいずれも減少した(図2)。現地報道によると、秋冬の需要期が近づいていることから、乳業にはクリームの追加製造の問い合わせがあるとしている。なお、生乳取引価格が過去最高値を更新していること、また、これらの乳製品の生産量が減少していることから、バターをはじめとして乳製品価格も高水準で推移している。
(調査情報部 渡辺 淳一)