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国内需給動向【鶏卵】畜産の情報 2022年12月号

4年10月の鶏卵卸売価格、前月から16円上昇

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 令和4年10月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり239円(前年同月比26円高)と、前月から16円上昇し、引き続き直近5カ年の同月の同価格の中で最も高い水準となった(図1)。

 
 卸売価格は、例年、夏場の低需要期に底を迎えた後、最需要期の年末に向けて上昇する傾向がある。COVID−19の影響により減少していた業務用需要が回復傾向にあることに加え、季節的な需要が高まってきたこともあり、段階的に価格が上昇している。
 今後については、供給面では、産地での気温低下に伴い、生産量は増加していくと見込まれる一方で、生産コスト高による生産抑制の影響が懸念される。需要面では、おでんなど季節商材における需要拡大や、さらにクリスマス・年末商戦といった最需要期を迎え、加工・業務筋から引き合いが強まると思われる。また、価格の上昇による需要の減少が見られる可能性はあるものの、10月から始まった全国旅行支援や入国者数の上限撤廃によるインバウンド需要の回復も期待される。そのため、鶏卵相場は、今後も上昇基調で推移すると予想される。

鶏卵小売価格、18カ月連続で前年同月を上回る
 鶏卵の小売価格は、その消費量のほとんどが国内生産で賄われていることから、卸売価格の影響を受ける傾向がある。
 鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、令和3年度に発生した高病原性鳥インフルエンザの影響により大きく上昇したとともに、本年に入っても業務用需要の回復や生産コストの上昇なども相まって平年に比べて高水準で推移しているところである(図2)。小売価格(東京都区部)の推移を見ても、10月は1パック当たり247円(前年同月比13円高)となり、前月の同248円からは1円下げたものの、18カ月連続で前年同月を上回った。なお、過去5カ年の10月の平均価格と比べても17円高い水準となっている。

 
(畜産振興部 生駒 千賀子)