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海外需給動向【牛乳・乳製品/NZ】畜産の情報 2022年12月号

GDT価格、全粉乳を除く主要3品目で今年最安値を記録

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9月の生乳生産量、3カ月連続で前年同月を下回る
 ニュージーランド乳業協会(DCANZ)によると、2022年9月の生乳生産量は250万7500トン(前年同月比3.2%減)と3カ月連続で前年同月を下回り、9月単月としては17年以降最低の水準となった(図1)。この要因についてニュージーランド証券取引所(NZX)は、労働力不足が依然として続く中で、北島を中心に雨天が続き、放牧環境が不良となったことを挙げている。

 
 このような中で、同国最大手のフォンテラ社は10月14日、22/23年度(6月〜翌5月)の予想集乳量を前回予想(9月9日公表)の149万5000トンからさらに1.0%引き下げ、148万トンに下方修正した。

乳製品輸出量、主要4品目すべてで前年同月を上回る
 ニュージーランド統計局(Stats NZ)によると、2022年9月の乳製品輸出量は、主要4品目すべてで前年同月を上回った(表)。品目別に見ると、脱脂粉乳および全粉乳は最大の輸出先である中国向けが減少したものの、インドネシアやマレーシアなどの東南アジア向けが増加したことで、それぞれ前年同月を上回った。バターおよびバターオイルは、主要輸出先である日本向けが前年同月比で3倍程度に増加したことで、全体でも大幅に増加した。チーズは、主要輸出先である日本、韓国向けがそれぞれ大幅に増加したことで、全体でも大幅に増加した。


 また、生乳生産量が世界的に落ち込む中で、乳製品の輸出単価は上昇基調にある(図2)。この結果、同月単月の主要4品目の輸出額合計は12億3852万NZドル(1090億円:1NZドル=88.04円(注1)、前年同月比73.6%増)と前年同月から5億2507万NZドル(462億円)増加した。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年10月末TTS相場。


GDT価格、主要4品目すべてで下落
 2022年10月18日に開催されたGDT(注2)の1トン当たりの平均取引価格は、主要4品目すべてにおいて前回開催(10月4日)から下落し、全粉乳を除く主要3品目は、今年最安値を記録した(図3)。この要因について現地報道は、乳製品価格の上昇に加え、取引の主要通貨である米ドルの高値基調が市場に緊張感を与え、消極的な動きを助長したと推測している。また、ウクライナ情勢の悪化や中国の景気減速に起因する世界的な景気後退に対する不安が表れた結果とする見解を示している。

(注2)グローバルデイリートレード。月2回開催される電子オークションで当該価格は乳製品の国際価格の指標とされている。


 
(調査情報部 工藤 理帆)