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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年1月号

脱脂粉乳の10月末在庫量、3年6カ月ぶりに前年同月を下回る

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4年10月の生乳生産量、前年同月比1.4%減
 令和4年10月の生乳生産量は、62万1855トン(前年同月比1.4%減)と前年同月をわずかに下回り、3カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は35万3200トン(同1.5%減)、都府県は26万8679トン(同1.2%減)と、ともに前年同月をわずかに下回り、北海道は2カ月、都府県は3カ月連続で前年同月を下回った。これは生産抑制の効果などによるものとみられる。




 
 
 10月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、34万8008トン(同0.7%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、3万716トン(同1.6%増)と前年同月をわずかに上回った。
 乳製品向けは、26万9952トン(同2.2%減)と前年同月をわずかに下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万4053トン(同2.7%増)と前年同月をわずかに上回る一方で、チーズ向けは、3万6657トン(同2.5%減)と6カ月ぶりに前年同月をわずかに下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、12万3353トン(同5.0%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 10月の牛乳などの生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は28万908キロリットルと前年同月並みとなり、成分調整牛乳は2万1382キロリットル(同2.8%減)と29カ月連続で前年同月を下回った。加工乳は、1万1831キロリットル(同14.0%増)と前年同月をかなり大きく上回った。乳飲料は、8万8806キロリットル(同2.7%減)と前年同月をわずかに下回り、はっ酵乳は、8万983キロリットル(同6.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 乳製品向けのうち、クリームの生産量は、1万541トン(同2.1%増)と2カ月ぶりに前年同月を上回った。

脱脂粉乳の10月末在庫量、前年同月を3年6カ月ぶりに下回る
 10月の脱脂粉乳の生産量は、1万963トン(同4.5%減)と前年同月をやや下回る一方で(図2)、出回り量は1万4362トン(同24.5%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。10月末の在庫量は、8万9447トン(同0.5%減)と在庫解消対策などにより、5カ月連続で前月を下回り、3年6カ月ぶりに前年同月を下回った(図3)。






4年10月のバターの生産量、前年同月比7.1%減
 10月のバターの生産量は、4770トン(前年同月比7.1%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は7214トン(同9.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農畜産業振興機構調べ)。10月末の在庫量は、3万6969トン(同8.9%減)と6カ月連続で前年同月を下回り、2カ月連続で前月を下回った(図5)。




 

 4年11月の牛乳販売個数、前年同期比2.0〜2.5%減で推移
 11月1日より生乳出荷価格が改訂され、牛乳等製品価格の値上げが行われた。一般社団法人Jミルクが12月1日に公表したJミルク需給短信(週報)によると、11月以降、牛乳類全体の販売個数は、前年同期比1.0〜1.7%減で推移しており、11月末時点では大きな減少は見られない。品目別では、牛乳が同2.0〜2.5%減で推移する一方で、乳飲料が同1.6〜5.8%増で推移しており、牛乳より安価な乳飲料に一定程度シフトしているとみられる。
(酪農乳業部 山下 侑真)