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海外需給動向【飼料穀物/中国】畜産の情報 2023年1月号

トウモロコシおよび大豆の価格動向

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国産トウモロコシ価格、川下需要の改善から安定的に推移と予想
 中国農業農村部は11月23日、「農産物需給動向分析月報(2022年10月)」を公表した。この中で、2022年10月の国産トウモロコシ価格は前月からわずかに上昇した(図1)。同月の国内のトウモロコシ需給を見ると、収穫が進み国内市場への供給量が増えている中で、従来の飼料需要に加えて加工業界からの需要も上向いていることから、ややタイトな状況にあるとされている。現地報道によると、今期は生産コストの上昇などから生産者はさらなる価格上昇を視野に放出を控える動きもあり、主産地東北部の収穫量に対する販売数量(11月15日時点)の割合は前年同期比3ポイント減の12%とされている。このため国産価格は、短期的には現行水準以上で推移すると見込まれている。
 各地の価格動向を見ると、主要養豚生産地である中国南部向け飼料原料集積地となる広東省黄埔港到着の輸入トウモロコシ価格(関税割当数量内:1%の関税+25%の追加関税)は、22年10月が1キログラム当たり3.42元(67円:1元=19.73円(注))となった。同年3月以降、国産価格を上回って推移していた同価格は、5月をピークに下落し、国産と輸入の価格差は狭まったが、米国でのトウモロコシ減産予測などもある中で一転して反発している。このため、同月の国産トウモロコシ価格(東北部産の同港到着価格)同2.94元(58円)に比べて同0.48元(9円)高となり、国産と輸入との価格差は再び開いている。



国産大豆価格、需給の緩みも若干の下落と予想
 2022年10月の国産大豆価格は、前月からわずかに下落した(図2)。同月の国内の大豆需給を見ると、今期の大豆生産は増加が見込まれる中で、食用需要は弱いものの搾油用は一定の需要があることで、弱含みながらも安定状況にある。今期の大豆生産は、中央政府による増産の呼びかけから作付面積が拡大しているが、現地報道によると、主産地を含め各地で増産が報じられる中で、今年は例年の旧正月前の需要増も見られず、全体的に需給は緩んでいるとされている。ただし、非遺伝子組み換え大豆である国産大豆は輸入大豆に比べて一定の需要があることで、生産量は増加しつつも価格は若干の下落にとどまると見込まれている。

 
 各地の価格動向を見ると、主産地である黒竜江省の食用向け国産大豆平均取引価格は、10月が1キログラム当たり5.90元(116円、前年同月比1.3%高)と高い水準で推移している。また、大豆の国内指標価格の一つとなる山東省の国産大豆価格は、同6.48元(128円、同5.6%高)と同じく高い水準にある。国産大豆と輸入大豆との価格差は、大豆国際相場の上昇などから縮小し、同0.88元(17円)となった。
 このような中で、大豆の輸入量は引き続き高い水準で推移しているが、記録的な輸入量となった前年からは減少している。22年(1〜9月)の輸入量は6905万トン(前年同期比6.7%減)、輸入額は世界的な穀物相場高の影響から同15.9%増の464億7700万米ドル(6兆5007億円:1米ドル=139.87円(注))と報告されている。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2022年11月末TTS相場。

(調査情報部 横田 徹)