1 令和4年11月の牛肉生産量は、3万5554トン(前年同月比4.0%増)と前年同月をやや上回った(図1)。品種別では、和牛は1万8074トン(同2.4%増)、乳用種は7806トン(同0.5%増)とわずかに、交雑種は9186トン(同10.7%増)とかなりの程度、いずれも前年同月を上回った。
なお、過去5カ年の11月の平均生産量との比較では、5.4%増とやや上回る結果となった。
2 11月の輸入量は、冷蔵品は、前月に続き、国内需要の低下や為替の影響などにより例年より低水準であるものの、前年同月の米国産、豪州産の輸入量が少なかったことの反動から、1万7614トン(同7.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った(図2)。また、冷凍品は、国内需要の低下のほか入船遅れも一部発生しており、豪州産やカナダ産などが減少したことから、2万1777トン(同16.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体では3万9413トン(同7.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
なお、過去5カ年の11月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は17.1%減と大幅に、冷凍品は13.7%減とかなり大きく、いずれも下回る結果となった。
3 11月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は157グラム(同6.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の11月の平均消費量との比較では、14.6%減とかなり大きく下回る結果となった。
外食産業全体の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第8波が拡大中であったものの、行動制限がなかったことや、相次ぐ価格改定に加え、インバウンド需要、全国的な旅行支援の実施などにより、前年同月と比べ8.9%増とかなりの程度上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、サッカーワールドカップにちなんだ期間限定メニューなどの充実でテイクアウト・デリバリーが堅調であったことなどから、同11.7%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風は、新商品が好評であったことなどから、同8.1%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、夜間の客の戻りが思わしくなく、同0.2%増と前年同月並みとなった。
4 11月の推定期末在庫は、16万2713トン(同15.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図4)。前月同月比で15カ月連続の増加となった。このうち、輸入品は15万14トン(同18.9%増)と前年同月を大幅に上回った。
推定出回り量は、7万6513トン(同8.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は3万5263トン(同4.2%増)と前年同月をやや上回った一方、輸入品は4万1250トン(同16.5%減)と前年同月を大幅に下回った。
(畜産振興部 大内田 一弘)