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海外需給動向【牛乳・乳製品/豪州】畜産の情報 2023年2月号

生乳生産量の前年割れ続く

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生乳生産量の減少止まらず
 デーリー・オーストラリア(DA)によると、2022年11月の生乳生産量は81万9855キロリットル(84万4451トン相当、前年同月比9.7%減)と、12カ月連続で前年同月を下回った(図1)。ラニーニャ現象に伴う最近の長雨や洪水が要因とみられ、豪州の主要酪農地帯であるビクトリア州やタスマニア州で降水量が多かったことが、9%を超える生乳生産量の減少につながったとみられる。なお、前年同月を9%以上下回ったのは、干ばつで乳用牛の淘汰とうたが進んだ18/19年度(7月〜翌6月)の4月以来、約3年半ぶりとなる。
 また、豪州の生乳生産の最盛期である9〜11月の月間生乳生産量が一度も90万キロリットルを超えなかったのは、過去10年間で初めてのことであり、22/23年度の年度生乳生産量に及ぼす影響が懸念される。なお、現時点での年度累計生乳生産量(22年7〜11月計)は、373万7794キロリットル(384万9928トン相当)と前年同期を7.2%下回って推移している。
 これらの状況からDAは、22/23年度の生乳生産量について、22年9月時点では、「横ばい」と昨年度(約855万キロリットル<881万トン相当>)と同程度の水準と予測していたものを、同年12月には、昨年度を下回ることはほぼ間違いないと下方修正した。この要因としては、近年の同国の酪農業界で課題となっている労働力不足や廃業(肉用牛農家への転換含む)に加え、最近の多雨および洪水被害を挙げている(注)

(注)海外情報「2022/23年度の生乳生産量は減少の見込み(豪州)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_003418.html)を参照されたい。


脱脂粉乳および全粉乳は好調
 DAが発表した2022年10月の主要乳製品4品目の輸出量は、品目別に大きく異なる動きを見せた(表、図2)。
 脱脂粉乳および全粉乳は、中東やアジア向けの輸出増加を受けて、それぞれ1万1476トン(前年同月比47.7%増)、6263トン(同56.0%増)といずれも1.5倍程度の大幅な増加を見せた。
 一方、バターおよびバターオイルは、フィリピンやシンガポールなどのアジア向け輸出の不振から754トン(同57.2%減)と半減した。チーズも、中国向けの輸出減少が響いて1万966トン(同14.0%減)とかなり大きく減少した。





 
(調査情報部 阿南 小有里)