1 令和4年12月の牛肉生産量は、3万1744トン(前年同月比1.2%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5865トン(同0.1%減)と前年同月並み、乳用種は7032トン(同3.2%減)と前年同月をやや下回った一方、交雑種は8422トン(同9.1%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
なお、過去5カ年の12月の平均生産量との比較では、1.9%増とわずかに上回る結果となった。
2 12月の輸入量は、冷蔵品は、現地相場の高止まりや為替の影響などにより、豪州産、米国産などの主要国からの輸入量が例年より少なかったことから、1万5439トン(同25.7%減)と前年同月を大幅に下回った(図2)。また、冷凍品も、国内需要の低下に加え、入船遅れの影響などにより豪州産やカナダ産などが減少したことから、2万1977トン(同11.7%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図3)。この結果、全体では3万7456トン(同18.0%減)と前年同月を大幅に下回った。
なお、過去5カ年の12月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は31.2%減と大幅に、冷凍品は15.7%減とかなり大きく、いずれも下回る結果となった。
3 12月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は225グラム(同9.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の12月の平均消費量との比較では、10.7%減とかなりの程度下回る結果となった。
外食産業全体の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数が増加傾向だったものの、年末にかけて個人客や家族客の外食需要が増加したことや価格改定などにより、前年同月と比べ8.6%増とかなりの程度上回った(一般社団法人日本フ−ドサ−ビス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバ−ガ−店を含むファ−ストフ−ドの洋風は、クリスマス前後の季節商品の販売が好調であったことなどから、同13.2%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファ−ストフ−ドの和風は、テレビコマ−シャル効果や季節限定メニュ−が好調であったことなどから、同6.7%増と前年同月をかなりの程度上回った。ファミリ−レストランの焼き肉は、年末の家族客を中心とした需要により、同2.3%増と前年同月をわずかに上回った。
4 12月の推定期末在庫は、15万5566トン(同16.2%増)と前年同月を大幅に上回った(図4)。前月同月比で16カ月連続の増加となった。このうち、輸入品は14万2876トン(同18.7%増)と前年同月を大幅に上回った。
推定出回り量は、7万5470トン(同8.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は3万875トン(同0.6%減)とわずかに、輸入品は4万4594トン(同13.4%減)とかなり大きく、いずれも前年同月を下回った。
(畜産振興部 大内田 一弘)