12月の生乳生産量、前年同月比3.8%減
令和4年12月の生乳生産量は、62万1061トン(前年同月比3.8%減)と前年同月をやや下回り、5カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は34万9533トン(同4.5%減)と前年同月をやや下回り、都府県は27万1528トン(同2.8%減)とわずかに下回った。北海道は4カ月、都府県は5カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
12月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、30万9561トン(同2.0%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万7766トン(同5.0%増)と前年同月をやや上回った。
乳製品向けは、30万7621トン(同5.5%減)と前年同月をやや下回り、5カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万3753トン(同6.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った一方で、チーズ向けは、4万1078トン(同1.6%増)とわずかに上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万2016トン(同7.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った(独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
12月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は24万8332キロリットル(同3.0%減)、成分調整牛乳は1万9484キロリットル(同5.4%減)とともに前年同月をやや下回った。加工乳は、1万3173キロリットル(同14.3%増)と前年同月をかなり大きく上回った。乳飲料は、7万9902キロリットル(同0.3%増)と前年同月並みとなり、はっ酵乳は、7万2473キロリットル(同6.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
乳製品向けのうち、クリームは1万1040トン(同5.8%減)と前年同月をやや下回った。
12月の脱脂粉乳生産量、前年同月比8.8%減
12月の脱脂粉乳の生産量は、1万4348トン(同8.8%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図2)、出回り量は1万7705トン(同55.1%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。12月末の在庫量は、8万2418トン(同12.9%減)と在庫解消対策などにより、7カ月連続で前月を下回り、3カ月連続で前年同月を下回った(図3)。
12月のバター生産量、4カ月連続前年同月割れ
12月のバターの生産量は、6292トン(同5.2%減)と前年同月をやや下回り、4カ月連続で前年同月を下回った(図4)。一方で出回り量は1万468トン(同12.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った(農畜産業振興機構調べ)。12月末の在庫量は、3万774トン(同17.1%減)と前年同月を大幅に下回り、8カ月連続で前年同月を下回った(図5)。
生乳生産量、2年連続前年割れの見込み
一般社団法人Jミルクは、令和5年1月27日、「2023年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題」を公表した。これによると、5年度の生乳生産量は747万トン(前年度比1.3%減)と2年続けて前年を下回る見込みである(表)。地域別に見ると、北海道では423万トン(同1.0%減)、都府県では323万9000トン(同1.6%減)とともにわずかに減少する見込みとなっている。
5年度の輸入枠数量が決定
農林水産省は令和5年1月27日、5年度の指定乳製品等の輸入枠数量を決定した。これによると、5年度の輸入枠は、4年度と同様にWTOにおいて約束している最低数量(カレントアクセス:生乳換算で13万7000トン)にとどめることとした。品目別の輸入量(製品重量)は、脱脂粉乳およびホエイについては、国際約束に従ってそれぞれ750トン、4500トン、バターオイルについては需要が見込める185トン、残りをバター8000トンに配分することとした。当機構は、今回設定された輸入枠数量に基づき、入札を実施する予定である。
(酪農乳業部 橋 沙織)