1月の生乳生産量、前年同月比4.0%減
令和5年1月の生乳生産量は、62万4256トン(前年同月比4.0%減)と前年同月をやや下回り、6カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は34万9632トン(同4.7%減)、都府県は27万4624トン(同3.1%減)とともに前年同月をやや下回った。北海道は5カ月、都府県は6カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
1月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、31万4519トン(同4.1%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万4591トン(同4.0%減)と前年同月をやや下回った。
乳製品向けは、30万5812トン(同3.8%減)と前年同月をやや下回り、6カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万7206トン(同4.4%減)と前年同月をやや下回った一方で、チーズ向けは、4万525トン(同4.9%増)とやや上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万4603トン(同5.8%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
1月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は25万591キロリットル(同4.4%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は1万9936キロリットル(同6.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万2310キロリットル(同19.3%増)と前年同月を大幅に上回った。
乳製品のうち、クリームは9631トン(同5.1%減)と前年同月をやや下回った。
1月のバター在庫量、9カ月連続で前年同月を下回る
1月のバターの生産量は、7054トン(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回り、5カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で出回り量は6866トン(同17.7%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。1月末の在庫量は、3万1919トン(同18.8%減)と前年同月を大幅に下回り、9カ月連続で前年同月を下回った(図3)。
1月の脱脂粉乳生産量、前年同月比7.0%減
1月の脱脂粉乳の生産量は、1万3910トン(同7.0%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は1万4470トン(同33.8%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。1月末の在庫量は、8万1860トン(同17.1%減)と在庫解消対策などにより、8カ月連続で前月を下回り、4カ月連続で前年同月を下回った(図5)。
令和4年1人当たり牛乳・乳製品支出金額、2年連続減
総務省が令和5年2月に公表した「家計調査結果」によると、4年(1〜12月)の全国1人当たりの牛乳・乳製品の支出金額は1万2896円(前年比1.2%減)と前年をわずかに下回り、2年連続で減少した(図6)。これは、巣ごもり需要の解消や物価高騰による食品の値上げなどが影響していると考えられる。
内訳を見ると、バターが426円(同8.4%減)と前年をかなりの程度下回り、チーズが2247円(同2.1%減)、ヨーグルトが4596円(同2.5%減)とそれぞれ前年をわずかに下回った。
バターについては、月別に見ると2月を除いて前年同月を下回っているが、これは緊急事態宣言の解除に伴い、巣ごもり需要が解消されたことが原因とみられる(図7)。
(酪農乳業部 橋 沙織)