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国内需給動向【鶏卵】畜産の情報 2023年4月号

5年2月の鶏卵卸売価格、300円/kg超え

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 令和5年2月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり327円(前年同月差152円高)となり、前月の280円から47円上昇した(図1)。
 前月の同価格(280円)は年末の需要期を過ぎたことで4年12月の価格(284円)よりいったん下がったものの、例年の変動の傾向に加え、継続する生産コストの上昇や、高病原性鳥インフルエンザ(以下「HPAI」という)の拡大などが影響したものと考えられ、2月中の卸売価格は上昇が続き、同月末の終値は335円となった。
 対前年同月比でも、1月は185.4%、2月は186.9%と高値水準が続いており、また、過去5カ年の2月平均価格177円に対して、本年2月の卸売価格は150円高(過去5カ年平均比84.7%高)となった。
 卸売価格は例年春先に向けて上昇する傾向にあり、今後も、全国的に発生しているHPAIの影響が懸念される。また、需要面では、入学、就職など新しい季節を迎え、外出や旅行など外食需要が見込まれるものの、高値水準が続いているため見通しは不透明である。


 
鶏卵小売価格、平成27年12月以来の260円台
 2月の小売価格(東京都区部)を見ると、1パック当たり265円(前年同月比30円高、12.8%高)となった(図2)。前月と比較しても19円高となり、同価格が260円台の水準となるのは平成27年12月以来、約7年ぶりとなる。
 小売価格は、例年と異なる様相を見せており、卸売価格に影響される形で高水準で推移している。このような中、前月は年末の需要期を過ぎたことで4年12月よりわずかに下落したものの、2月は再び上昇した。なお、過去5カ年の2月の平均価格227円と比べても38円高い水準となっている。


 
(畜産振興部 生駒 千賀子)