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海外需給動向【鶏肉/米国】畜産の情報 2023年4月号

23年1月の鶏肉生産量は増加傾向

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23年1月の鶏肉生産量、前年比7.4%増
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2023年1月の鶏肉生産量は処理羽数、生体重量の増加により179万8000トン(前年同月比7.4%増)とかなりの程度増加し、6カ月連続で前年同月を上回った(表1)。また、22年1〜12月の鶏肉生産量は、年後半の増産傾向もあって2095万9000トン(同2.9%増)とわずかに増加した。一方、USDAは化場における肉用鶏卵の導入数が減少しているとして、23年の鶏肉生産量予測を前月発表から9万1000トン引き下げ、前年比1.1%増と予測している。

 
卸売価格は高値で推移
 USDA/ERSによると、2023年1月の鶏肉卸売価格は1ポンド当たり1.22米ドル(1キログラム当たり368.88円:1米ドル=137.33円(注)、前年同月比7.3%安)と、前年同月をかなりの程度下回った(図1)。
 ただし、19〜21年の各同月よりは依然として高い水準にある。

(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年2月末TTS相場。

 
 一方、23年1月末の鶏肉冷凍在庫量は37万4228トン(同12.3%増)と、前年同月をかなり大きく上回った(図2)。インフレにより食品価格が上昇する中、比較的安価な食肉である鶏肉の消費量は増加傾向にあるが、生産量がこれを上回ることで12カ月連続での在庫増となった。USDAはこうした生産・消費動向を踏まえ、23年の価格を前年比10.0%安の1ポンド当たり1.27米ドル(1キログラム当たり382.99円)と予測している。


22年の鶏肉輸出量、前年比でわずかに減
 USDA/ERSによると、2022年12月の鶏肉輸出量は27万1331トン(前年同月比4.6%減)と前年同月をやや下回った(表2)。輸出先別に見ると、第1位のメキシコ向けはかなりの程度増加したものの、キューバおよび中国向けが大幅に減少し、輸出量全体を押し下げた。また、同年1〜12月の輸出量は、メキシコ、キューバ、中国向けなどの輸出の減少により、330万1174トン(前年比1.1%減)と前年をわずかに下回った。23年の輸出量についてUSDAは、高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)による輸出制限のリスクなどを見込み、前年をわずかに上回る(同0.5%増)程度と予測している。

(調査情報部 小林 大祐)