2月の生乳生産量、前年同月比4.5%減
令和5年2月の生乳生産量は、57万392トン(前年同月比4.5%減)と前年同月をやや下回り、7カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は31万7927トン(同5.3%減)、都府県は25万2465トン(同3.5%減)とともに前年同月をやや下回った。北海道は6カ月、都府県は7カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
2月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、29万5227トン(同3.7%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万1857トン(同10.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
乳製品向けは、27万1350トン(同5.4%減)と前年同月をやや下回り、7カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万4040トン(同1.2%増)と前年同月をわずかに上回った一方で、チーズ向けは、3万4876トン(同1.7%減)とわずかに下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、14万2003トン(同9.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った(独立行政法人農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
2月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は23万7518キロリットル(同3.5%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は1万8075キロリットル(同9.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万788キロリットル(同11.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
乳製品のうち、クリームは9184トン(同1.7%増)と前年同月をわずかに上回った。
2月のバター在庫量、10カ月連続で前年同月を下回る
2月のバターの生産量は、5900トン(前年同月比10.8%減)と前年同月をかなりの程度下回り、6カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で出回り量は7747トン(同14.0%増)と前年同月をかなり大きく上回った(農畜産業振興機構調べ)。2月末の在庫量は、3万704トン(同22.7%減)と前年同月を大幅に下回り、10カ月連続で前年同月を下回った(図3)。
2月の脱脂粉乳在庫量、3年ぶりに8万トンの大台割れ
2月の脱脂粉乳の生産量は、1万2198トン(前年同月比8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は1万6070トン(同26.8%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。2月末の在庫量は、3年ぶりに8万トンの大台を下回る7万7989トン(同21.5%減)と在庫解消対策などにより、9カ月連続で前月を下回り、5カ月連続で前年同月を下回った(図5)。
牛乳の消費者物価、2カ月連続10%台の上昇
総務省が令和5年3月24日に発表した2月の消費者物価指数(令和2年=100)によると、牛乳は109.5(前年比10.3%上昇)と2カ月連続で10%台の上昇率となった(表)。これは、昨年11月の飲用向けおよびはっ酵乳向け乳価引き上げに伴う価格改定によるものとみられ、ヨーグルトの指数も同4.9%上昇した。また、輸入原料価格が値上がりしているチーズの指数も前年を10%以上、上回って推移している。
(酪農乳業部 橋 沙織)