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海外需給動向【飼料穀物/トウモロコシ 世界】畜産の情報 2023年5月号

ブラジルと米国の輸出量の差が拡大し、5000万トンを見込む

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 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年3月8日、22/23年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は11億4752万トン(前年度比5.6%減)と前月から384万トン下方修正され、前年度をやや下回ると見込まれている。地域別に見ると、インドやパラグアイなどが増産により上方修正されたものの、主産地のアルゼンチンは、2月から3月上旬にかけて猛暑と干ばつが続いたことで減産が見込まれ、前月から700万トン下方修正されている。
 輸入量は、世界全体で1億7448万トン(同5.4%減)と前月から252万トン下方修正され、前年度からやや減少すると予測されている。地域別に見ると、トルコでは収穫量の増加が見込まれることから、また、マレーシア、モロッコ、チリ、コロンビア、ペルーといった輸入国がアルゼンチンからの輸入量が減少した影響により、前月から下方修正された。
 消費量は、世界全体で11億5675万トン(同3.9%減)と前月から562万トン下方修正され、前年度からやや減少すると見込まれている。地域別に見ると、最大の消費国である中国は前月から据え置かれ、インドが前月から上方修正されたものの、エジプトやインドネシアなどが前月から下方修正された。
 輸出量は、世界全体で1億7471万トン(同15.1%減)と前月から636万トン下方修正され、前年度からかなり大きく減少すると予測されている。地域別に見ると、インドやウクライナなどが前月から上方修正されたものの、減産の影響を受けたアルゼンチンや米国は前月から下方修正された。特にブラジルは、アルゼンチンの減産や米国の出荷低迷を受け、世界最大の輸出国である米国を上回る5000万トン(同3.1%増)と増加が見込まれている。
 この結果、期末在庫は2億9646万トン(同3.0%減)と前月から118万トン上方修正されたものの、前月に引き続き3億トンを下回ると見込まれている。


(調査情報部 水野 崇)