米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年3月8日、22/23年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の生産量は3億7515万トン(前年度比4.7%増)と前月から786万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジル、これに次ぐ米国はいずれも前月から据え置かれたが、主要生産国のアルゼンチンが干ばつの影響などから800万トン下方修正されたことが影響した。また、隣国ウルグアイも同じく20万トン下方修正された。アルゼンチンの生産量は3カ月続けての下方修正となり、昨年10月時の予測値(5100万トン)から1800万トン減少している。
輸入量は、世界全体で1億6539万トン(同5.3%増)と前月から132万トン上方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は前月から据え置かれたが、アルゼンチンは国内生産量の減少から100万トン上方修正された。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2004万トン(同2.3%増)と前月から386万トン下方修正された。このうち、最大の消費国である中国は国内での需要減少が見込まれることで200万トン下方修正された。中国の下方修正は3カ月連続となっている。
輸出量は、世界全体で1億6840万トン(同9.4%増)と前月から93万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは前月から70万トン、これに次ぐ米国は68万トンそれぞれ上方修正されたことで、アルゼンチンの下方修正分を十分に穴埋めしている。
この結果、期末在庫は1億1万トン(同1.0%増)と前月から202万トン下方修正されたが、引き続き中国の在庫水準が高いことなどから1億トン台を維持している。
(調査情報部 横田 徹)