3月の生乳生産量、前年同月比4.7%減
令和5年3月の生乳生産量は、64万1133トン(前年同月比4.7%減)と前年同月をやや下回り、8カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は35万5005トン(同5.5%減)、都府県は28万6128トン(同3.9%減)とともに前年同月をやや下回った。北海道は7カ月、都府県は8カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
3月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、31万6821トン(同3.3%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万7038トン(同7.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
乳製品向けは、32万431トン(同6.3%減)と前年同月をかなりの程度下回り、8カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万2610トン(同1.6%増)と前年同月をわずかに上回った一方で、チーズ向けは、4万220トン(同3.5%減)と前年同月をやや下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、17万648トン(同10.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
3月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は25万1995キロリットル(同3.3%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は2万153キロリットル(同6.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万1977キロリットル(同9.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
乳製品のうち、クリームは1万483トン(同0.2%減)と前年同月並みとなった。
3月のバター在庫量、前年同月比27.1%減
3月のバターの生産量は、6929トン(同12.5%減)と前年同月をかなり大きく下回り、7カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で出回り量は9644トン(同10.3%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農畜産業振興機構調べ)。3月末の在庫量は、2万8831トン(同27.1%減)と前年同月を大幅に下回り、11カ月連続で前年同月を下回った(図3)。
3月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比34.1%減
3月の脱脂粉乳の生産量は、1万4547トン(同9.8%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は2万8165トン(同57.8%増)と前年同月を大幅に上回った(農畜産業振興機構調べ)。3月末の在庫量は、2月末の在庫量から1万3597トン減少し、6万4392トン(同34.1%減)と在庫解消対策などにより、10カ月連続で前月を下回り、6カ月連続で前年同月を下回った(図5)。
4月第1〜3週における牛乳類全体の販売個数、前年同期比2.8〜5.6%減で推移
一般社団法人Jミルクが公表したJミルク需給短信(週報)によると、4月第1〜3週における牛乳類全体の販売個数は、前年同期比2.8〜5.6%減で推移している。品目別では、全品目において前年同期を下回っており、牛乳が同2.0〜5.1%減、成分調整牛乳が同15.6〜16.3%減、加工乳が同2.8〜6.6%減、乳飲料が同0.1〜2.5%減で推移している。
(酪農乳業部 山下 侑真)