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国内需給動向【牛肉】畜産の情報 2023年7月号

5年4月の牛肉生産量、前年同月比1.9%増

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生産量
 令和5年4月の牛肉生産量は、3万303トン(前年同月比1.9%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万4607トン(同1.4%増)とわずかに、交雑種は8665トン(同11.9%増)とかなり大きく、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6639トン(同6.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 なお、過去5カ年の4月の平均生産量との比較では、5.3%増とやや上回る結果となった。
 


 
輸入量
 4月の輸入量は、冷蔵品は、米国産輸入量が現地価格の高騰などにより前年同月を下回った一方、豪州産輸入量が現地価格の下落などにより前年同月を上回ったことなどから、2万1085トン(同3.0%増)と前年同月をやや上回った(図2)。冷凍品は、在庫量が高水準で推移する中、前年同月よりも通関保留していた分の通関が多かったほか、豪州産輸入量が現地価格の下落などにより前年同月を上回ったことなどから、4万6772トン(同14.1%増)と前年同月をかなり大きく上回った(図3)。この結果、全体では6万7921トン(同10.4%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 なお、過去5カ年の4月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は15.8%減とかなり大きく下回る一方、冷凍品は23.2%増と大幅に上回る結果となった。



 
 
家計消費量等
 4月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は167グラム(同1.5%減)と前年同月をわずかに下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の4月の平均消費量との比較でも、11.7%減とかなり大きく下回る結果となった。
 4月の外食産業全体の売上高は、マスク規制の緩和や新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の5類移行を見据えた動きにより、消費者の外食意欲が戻り、歓送迎会や春休みの需要が好調であったほか、インバウンド需要も回復傾向にあることなどから、前年同月比15.8%増とかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、好調な新商品やテイクアウトおよびデリバリーの定着のほか、店内飲食需要の回復などがあり、同11.2%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風も同様の理由により、同17.0%増と前年同月を大幅に上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、引き続き郊外立地店舗での家族客需要があったほか、一部で歓送迎会需要の回復などがあったことから、同21.0%増と前年同月を大幅に上回った。

推定期末在庫・推定出回り量
 4月の推定期末在庫は、16万155トン(同27.1%増)と前年同月を大幅に上回った(図4)。前年同月比で20カ月連続の増加となった。このうち、輸入品は14万7784トン(同29.4%増)と前年同月を大幅に上回った。
 推定出回り量は、8万7054トン(同5.9%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万9790トン(同2.6%減)とわずかに、輸入品は5万7265トン(同7.6%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。
 


 
(畜産振興部 大内田 一弘)