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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年7月号

4月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比35.2%減

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4月の生乳生産量、前年同月比4.4%減
 令和5年4月の生乳生産量は、62万7975トン(前年同月比4.4%減)と前年同月をやや下回り、9カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は34万8894トン(同4.1%減)、都府県は27万9081トン(同4.8%減)とともに前年同月をやや下回った。北海道は8カ月、都府県は9カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。


 4月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、31万5899トン(同3.6%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万4763トン(同4.6%減)と前年同月をやや下回った。
 乳製品向けは、30万8166トン(同5.3%減)と前年同月をやや下回り、9カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万8675トン(同3.0%減)と前年同月をやや下回った一方で、チーズ向けは、4万69トン(同2.2%増)と前年同月をわずかに上回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万2914トン(同9.0%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 4月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は25万2396キロリットル(同3.2%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は1万9592キロリットル(同7.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万1839キロリットル(同15.3%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
 乳製品のうち、クリームは9686トン(同5.3%減)と前年同月をやや下回った。
 
4月のバター在庫量、前年同月比27.3%減
 4月のバターの生産量は、6578トン(前年同月比11.2%減)と前年同月をかなり大きく下回り、8カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で出回り量は7185トン(同7.6%増)と前年同月をかなりの程度上回った(農畜産業振興機構調べ)。4月末の在庫量は、2万9038トン(同27.3%減)と前年同月を大幅に下回り、12カ月連続で前年同月を下回った(図3)。



 
 
4月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比35.2%減
 4月の脱脂粉乳の生産量は、1万3616トン(前年同月比10.7%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は1万2881トン(同4.8%増)と前年同月をやや上回った(農畜産業振興機構調べ)。4月末の在庫量は、3月末から788トン増の6万5180トン(同35.2%減)と11カ月ぶりに前月を上回ったが、7カ月連続で前年同月を下回った(図5)。



 
 
5年度の生乳生産量、2年連続前年割れの見込み
 一般社団法人Jミルクは令和5年5月26日、「2023年度の生乳及び牛乳乳製品の需給見通しと課題」を公表した。これによると5年度の生乳生産量は741万8000トン(前年度比1.5%減)と2年連続で前年度をわずかに下回る見込みである。地域別に見ると、北海道では423万3000トン(同0.5%減)、都府県では318万5000トン(同2.9%減)とともにわずかに減少する見込みとなっている。
 また、牛乳類の生産量の見通しは、444万2000キロリットル(同2.9%減)となっており、内訳を見ると牛乳は305万3000キロリットル(同3.0%減)、加工乳は13万5000キロリットル(同0.4%増)、成分調整牛乳は24万キロリットル(同4.1%減)、乳飲料は101万4000キロリットル(同2.8%減)、はっ酵乳は89万9000キロリットルとなっている。

5年度のバター、脱脂粉乳の輸入枠数量据え置き
 農林水産省は令和5年5月26日、5年度のバターおよび脱脂粉乳の国家貿易における輸入枠数量の検証結果を発表した。これによるといずれも必要量以上の在庫があることから、本年度の輸入枠数量は、製品重量でバター8000トン、脱脂粉乳750トンに据え置くこととした。

(酪農乳業部 橋 沙織)