米国農務省世界農業観測ボードUSDA/WAOBは2023年5月12日、2023/24年度(9月〜翌8月)最初の米国のトウモロコシ需給見通しを公表した(表)。
生産量は、152億6500万ブッシェル(3億8775万トン
(注1)、前年度比11.2%増)と作付面積と単収の増加を受けて、前年度からかなり大きく増加し、過去最高値が見込まれている。
消費量は、123億8500万ブッシェル(3億1459万トン、同3.6%増)と、世界的な増産によるトウモロコシ価格の下落予測に伴う飼料向けなどの増加を受けて、前年度からやや増加すると見込まれている。
輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同18.3%増)と前年度から大幅に増加すると見込まれている。
期末在庫は、総供給量が総消費量を上回ることで22億2200万ブッシェル(5644万トン、同56.8%増)と前年度から大幅に増加し、16/17年度以来の高水準が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、15.3%(同5.0ポイント増)と前年度を大幅に上回る水準が予測されている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.80米ドル(676円。1キログラム当たり26.6円:1米ドル=140.77円
(注2))と、前年度から大幅に下落すると見込まれている。
今回の予測は、過去の傾向に基づく平年並みの作付け状況と好天下における生育を前提に想定されているため、今後の状況に注視する必要がある。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年5月末TTS相場。
(調査情報部 針ヶ谷 敦子)