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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年8月号

5月の生乳生産量 前年同月比4.4%減

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5月の都府県の生乳生産量、前年同月比5.5%減
 令和5年5月の生乳生産量は、64万8931トン(前年同月比4.4%減)と前年同月をやや下回り、10カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は36万6444トン(同3.4%減)、都府県は28万2487トン(同5.5%減)と、ともに前年同月をやや下回った。北海道は9カ月、都府県は10カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。


 5月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、33万4318トン(同3.1%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万3931トン(同10.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 乳製品向けは、31万575トン(同5.8%減)と前年同月をやや下回り、10カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万8100トン(同4.0%減)と前年同月をやや下回り、チーズ向けは、3万9306トン(同6.1%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、16万6318トン(同7.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 5月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万8427キロリットル(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回り、成分調整牛乳は2万561キロリットル(同5.9%減)と前年同月をやや下回った。加工乳は、1万1782キロリットル(同13.1%増)と前年同月をかなり大きく上回った。
 乳製品のうち、クリームは9466トン(同5.1%減)と前年同月をやや下回った。
 
5月のバター在庫量、前年同月比26.8%減
5月のバターの生産量は、6752トン(同7.7%減)と前年同月をかなりの程度下回り、9カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で出回り量は6487トン(同2.3%増)と前年同月をわずかに上回った(農畜産業振興機構調べ)。5月末の在庫量は、3万371トン(同26.8%減)と前年同月を大幅に下回り、13カ月連続で前年同月を下回った(図3)。




 
 
5月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比34.3%減
 5月の脱脂粉乳の生産量は、1万3871トン(同8.0%減)と前年同月をかなりの程度下回る一方で(図4)、出回り量は1万509トン(同9.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構調べ)。5月末の在庫量は、6万8502トン(同34.3%減)と8カ月連続で前年同月を下回ったが、2カ月連続で前月を上回った(図5)。




 
令和5年5月の脱脂粉乳の大口需要者向け価格、前年同月比10.4%増
 令和5年6月26日に農林水産省が公表した「令和5年5月の乳製品の大口需要者向け価格の動向」によると、今年4月から乳製品向け乳価が1キログラム当たり10円上がったことなどから、大口需要者向け価格は、4月以降すべての品目で前年同月を上回った。これを品目別に見ると、バター(原料物)は1キログラム当たり1504円(前年同月比9.5%高)と2カ月連続で前年同月をかなりの程度上回った(図6)。脱脂粉乳は25キログラム当たり1万9411円(同10.4%高)と2カ月連続で前年同月をかなりの程度上回った(図7)。全脂加糖練乳は24.5キログラム当たり1万1821円(同11.8%高)、脱脂加糖練乳は25.5キログラム当たり1万1086円(同12.6%高)とかなり大きく、全粉乳は25キログラム当たり2万6231円(同9.2%高)とかなりの程度、前年同月を上回った。




 
(酪農乳業部 山下 侑真)