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国内需給動向【鶏卵】畜産の情報 2023年8月号

6月の鶏卵卸売価格は349円

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 令和5年6月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1キログラム当たり349円(前年同月差136円高)となった(図)。
 同価格は高病原性鳥インフルエンザ(以下「HPAI」という)の大規模発生による生産量の減少やコスト高の影響などにより、高値で推移しているが、発生農場における再導入が進んでいることや、例年夏季は気温の上昇とともに低需要期に入ることから、6月最終週には高止まりから下押しの動きを見せた。なお、6月20日に農林水産省は、国際獣疫事務局(WOAH)のウェブサイトに、HPAIの清浄化宣言が掲載されたと発表した。
 当月の日ごとの推移を見ると、26日以後は345円が続き、現在公表されている平成5年1月以降の相場で、最高値となった350円から90日ぶりに5円下回った。しかし、3〜6月の前年同月差を見ると、3月は148円差、4月は139円差、5月は131円差と徐々に差が小さくなっていたが、6月は136円差と差が再び広がり、依然として高止まりの状況が続いている。
 今後の供給量については、HPAI発生農家でのひなの導入再開まで約半年、発生前の飼養規模に戻るまでは約1年かかるため、徐々に生産量が回復するものの、引き続き影響は続くとみられている。
 需要面は、本格的な夏の旅行シーズンや休暇による外食需要や観光需要などは回復基調にあると言われるが、供給が安定するまで引き続き不透明な状況が見込まれる。

 
(畜産振興部 生駒 千賀子)