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国内需給動向【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年9月号

6月の生乳生産量、前年同月比3.7%減

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6月の都府県の生乳生産量、前年同月比5.7%減
 令和5年6月の生乳生産量は、61万9162トン(前年同月比3.7%減)と前年同月をやや下回り、11カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は35万5927トン(同2.2%減)とわずかに前年同月を下回り、都府県は26万3235トン(同5.7%減)と前年同月をやや下回った。北海道は10カ月、都府県は11カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
 6月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、33万803トン(同3.7%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万1093トン(同11.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 乳製品向けは、28万4260トン(同3.8%減)と前年同月をやや下回り、11カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万7632トン(同1.0%減)と前年同月をわずかに下回り、チーズ向けは、3万6618トン(同7.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、14万3916トン(同3.9%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 6月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万5515キロリットル(同3.3%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は2万150キロリットル(同6.6%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万798キロリットル(同8.0%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 乳製品のうち、クリームは9273トン(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回った。

 
6月のバター在庫量、前年同月比28.5%減
 6月のバターの生産量は、5680トン(同8.9%減)と前年同月をかなりの程度下回り、10カ月連続で前年同月を下回った(図2)。一方で、出回り量は7365トン(同11.2%増)と前年同月をかなり大きく上回った(農畜産業振興機構調べ)。6月末の在庫量は、2万9870トン(同28.5%減)と前年同月を大幅に下回り、14カ月連続で前年同月を下回った(図3)。




  
6月の脱脂粉乳在庫量、前年同月比33.6%減
 6月の脱脂粉乳の生産量は、1万2198トン(同4.2%減)と前年同月をやや下回り(図4)、出回り量は1万1578トン(同13.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。6月末の在庫量は、6万9126トン(同33.6%減)と9カ月連続で前年同月を下回ったが、3カ月連続で前月を上回った(図5)。




 
令和4年度のチーズ総消費量、前年度比5.3%減
 農林水産省が令和5年7月19日に公表した「令和4年度チーズの需給表」によると、4年度の総消費量は33万5610トン(前年度比5.3%減)と前年をやや下回った(図6)。内訳としては、ナチュラルチーズ消費量が20万4591トン(同3.5%減)と前年度をやや下回り、プロセスチーズ消費量が13万1019トン(同8.0%減)と前年度をかなりの程度下回った。
 国産ナチュラルチーズの生産量は、4万6162トン(同1.8%増)とわずかに前年度を上回った(図7)。内訳としては、プロセスチーズ原料用が2万3281トン(同7.9%増)と前年度をかなりの程度上回り、プロセスチーズ原料用以外が2万2881トン(同3.7%減)と前年度をやや下回った。一方、輸入ナチュラルチーズ総量は、25万6902トン(同7.1%減)と前年度をかなりの程度下回った。こうしたことから、チーズ総消費量に占める国産割合(ナチュラルチーズベース)は前年度の13.7%から1.2ポイント増の14.9%となっている。




 
 (酪農乳業部 橋 沙織)