畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 米国などの増産見込みを受けて期末在庫は前年度からかなりの程度増加

海外需給【飼料/世界/トウモロコシ】畜産の情報 2023年9月号

米国などの増産見込みを受けて期末在庫は前年度からかなりの程度増加

印刷ページ
 米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年7月12日、23/24年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表)。
 これによると、世界のトウモロコシ生産量は12億2447万トン(前年度比6.4%増)と前月から170万トン上方修正され、前年度をかなりの程度上回り、過去最高が見込まれている。地域別に見ると、EUでは作付面積の減少を受けて生産量が下方修正された一方で、米国では当初予測を上回る作付面積の増加が乾燥による単収の減少を補うことで増産が見込まれている。
 輸入量は、世界全体で1億8840万トン(同7.6%増)と前月から140万トン上方修正された。地域別に見ると、生産量が前月から下方修正されたEUは、需要増を背景に150万トン上方修正され、その結果、中国を抑えて世界最大のトウモロコシ輸入地域になると見込まれている。
 消費量は、世界全体で12億665万トン(同3.6%増)と前月から30万トン上方修正され、過去最高が見込まれている。地域別に見ると、米国や中国など主要消費国がいずれも前月から据え置かれた中で、EUは前月から60万トン上方修正された。
 輸出量は、生産量が前月から上方修正されたウクライナの輸出量の増加などが反映され、世界全体で1億9826万トン(同12.3%増)と前月から50万トン上方修正された。
 この結果、期末在庫は3億1412万トン(同6.0%増)と前月から14万トン上方修正され、前年度からかなりの程度増加すると見込まれている。

 
(調査情報部 針ヶ谷 敦子)