USDA/WAOBは2023年7月12日、23/24年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを更新した(表)。
生産量は、作付面積の上方修正を受けて、153億2000万ブッシェル(3億8914万トン(注1)、前年度比11.6%増)と前月から5500万ブッシェル(140万トン)上方修正され、過去最高が見込まれている。
消費量は、123億8500万ブッシェル(3億1459万トン、同2.5%増)と前月から据え置かれ、前年度からわずかに増加すると見込まれている。
輸出量は、21億ブッシェル(5334万トン、同27.3%増)と前月から据え置かれ、前年度から大幅に増加すると見込まれている。
期末在庫は、22億6200万ブッシェル(5746万トン、同61.3%増)と前月から微増、また、前年度から大幅に増加し、16/17年度以来の高水準が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、15.6%(同5.4ポイント増)と前月から据え置かれ、前年度を大幅に上回る水準が予測されている。
生産者平均販売価格は、生産量が上方修正されたものの1ブッシェル当たり4.80米ドル(681円。1キログラム当たり26.8円:1米ドル=141.97円(注2))と前月から据え置かれたが、増産見込みや期末在庫の回復などを背景に前年度からは大幅に下落すると見込まれている。
今回の作付面積の上方修正は、米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が6月30日に公表した調査結果に基づいており、9410万エーカー(3808万ヘクタール)は1944年以来、米国で過去3番目となる広さと言われている。一方で、6月のトウモロコシ主産地域の降水量は平年より極端に減少したことなどから、単収は前月から下方修正された。7月に入り、降雨や気温の低下なども見られ、今後、重要な受粉の時期を迎える中で、引き続き産地の天候が注目されている。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラム、1エーカーを0.4047ヘクタールとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年7月末TTS相場。
(調査情報部 針ヶ谷 敦子)