生産量
令和5年7月の牛肉生産量は、3万670トン(前年同月比2.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万5367トン(同2.2%増)とわずかに、交雑種は8417トン(同9.4%増)とかなりの程度、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6591トン(同4.4%減)と前年同月をやや下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均生産量との比較では、1.7%増とわずかに上回る結果となった。
輸入量
7月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷の他、米国産輸入量が現地相場の高騰もあり少なかったことなどから、1万9355トン(同0.8%減)と前年同月をわずかに下回った(図2)。冷凍品も、国内の輸入品在庫量が多く、主要国を含むほとんどの輸入先からの輸入量が少ないことなどから、1万9312トン(同40.5%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体でも3万8693トン(同25.6%減)と前年同月を大幅に下回った。
なお、過去5カ年の7月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は20.1%減、冷凍品は40.9%減と、ともに大幅に下回る結果となった。
家計消費量等
7月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は164グラム(同5.4%減)と前年同月をやや下回った(総務省「家計調査」)。
なお、過去5カ年の7月の平均消費量との比較では、10.9%減とかなりの程度下回る結果となった。
7月の外食産業全体の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の5類移行後、各地で花火やお祭りなどのイベント再開で人流回復が進み、インバウンドの回復と相まって堅調に推移する中、九州などで豪雨の影響を受けたものの、関東などでは好天が続き、夏の季節メニューが好調であったことなどから、前年同月比14.2%増と前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、季節メニューや新商品、コールドドリンクが好調であったことなどから、同7.3%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風は、定番商品が堅調であり、土用の丑のうなぎ需要もあったことから、同14.8%増と前年同月をかなり大きく上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、駅近繁華街の小規模店でも集客が回復したことなどから、同16.5%増と前年同月を大幅に上回った。
推定期末在庫・推定出回り量
7月の推定期末在庫は、15万9090トン(同5.6%増)と前年同月をやや上回った(図4)。前年同月比で23カ月連続の増加となった。このうち、輸入品は14万6616トン(同6.7%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
推定出回り量は、6万9950トン(同4.5%減)と前年同月をやや下回った(図5)。このうち、国産品は2万9808トン(同2.8%増)と前年同月をわずかに上回った一方、輸入品は4万142トン(同9.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
(畜産振興部 大内田 一弘)