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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2023年10月号

7月の生乳生産量 前年同月比4.5%減

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7月の北海道の生乳生産量、前年同月比3.6%減
 令和5年7月の生乳生産量は、61万6467トン(前年同月比4.5%減)と前年同月をやや下回り、12カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は35万8521トン(同3.6%減)、都府県は25万7946トン(同5.7%減)といずれも前年同月をやや下回った。北海道は11カ月、都府県は12カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
 7月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、33万3249トン(同3.3%減)と前年同月をやや下回った。このうち、業務用向けについては、2万2421トン(同6.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
 乳製品向けは、27万9496トン(同6.0%減)と前年同月をかなりの程度下回り、12カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、5万8748トン(同2.0%減)と前年同月をわずかに下回り、チーズ向けは、3万9349トン(同6.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、13万3979トン(同7.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 7月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は26万6621キロリットル(同1.4%減)と前年同月をわずかに下回り、成分調整牛乳は2万1548キロリットル(同5.2%減)と前年同月をやや下回った。加工乳は、1万519キロリットル(同6.2%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 乳製品のうち、クリームは9309トン(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回った。

 
7月末のバター在庫量、前年同月比29.0%減
 7月のバターの生産量は、5151トン(同9.9%減)と前年同月をかなりの程度下回り、11カ月連続で前年同月を下回った(図2)。出回り量は6382トン(同10.9%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。7月末の在庫量は、2万9135トン(同29.0%減)と前年同月を大幅に下回り、15カ月連続で前年同月を下回った(図3)。




 
7月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比33.0%減
 7月の脱脂粉乳の生産量は、1万1108トン(同6.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図4)。出回り量は1万3337トン(同16.4%減)と前年同月を大幅に下回った(農畜産業振興機構調べ)。7月末の在庫量は、6万6904トン(同33.0%減)と10カ月連続で前年同月を下回り、4カ月ぶりに前月を下回った(図5)。



 
 令和5年度上期の酪農品の輸出量、前年同期比10.8%増
 令和5年8月4日に農林水産省が発表した「農林水産物輸出入情報(令和5年6月分)」によると、本年上期(1〜6月)における酪農品の輸出量は、1万4670トン(前年同期比10.8%増)とかなりの程度、輸出額は、122億2655万円(同17.7%増)と大幅に、前年同期を上回った(図6)。国別に見ると、輸出額ベースで、最大の輸出先はベトナムであり、同国向けの輸出額は、55億5376万円(同12.2%増)と前年同期をかなり大きく上回った一方で、輸出量は、3028トン(同7.3%減)と前年同期をかなりの程度下回った。そのうち、乳幼児用調製品が、2547トン(同15.4%減)と全体の8割以上を占めた。
 上期累計を品目別に見ると、牛乳・部分脱脂乳は、3588トン(同12.9%減)と前年同期をかなり大きく下回り、チーズ類は、488トン(同6.4%減)と前年同期をかなりの程度下回った。粉乳等は、9135トン(同22.9%増)と前年同期を大幅に上回った。粉乳等の内訳を見ると、乳幼児用調製品は、3812トン(同14.5%減)と前年同期をかなり大きく下回っているが、その他の粉乳は、5323トン(同78.9%増)と前年同期を大幅に上回っており、これは生・処による対策などが要因とみられる。

 
(酪農乳業部 山下 侑真)