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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2023年10月号

供給減から肥育牛価格は高水準を維持、上半期の牛肉輸出量は減少

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23年7月の牛肉生産量、前年同月比6.2%減
 2023年7月の牛と畜頭数は、255万5000頭(前年同月比6.4%減)とかなりの程度減少した。この結果、同月の牛肉生産量は95万7000トン(同6.2%減)とかなりの程度減少した(図1)。同年の牛肉生産量について米国農務省(USDA)は、牛群再構築に伴うと畜頭数減少などにより、1224万7000トン(前年比4.6%減)と見込んでいる。

 
23年7月の肥育牛価格、前年同月比29.1%高
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年7月のフィードロット導入頭数は161万8000頭(前年同月比8.3%減)とかなりの程度減少し、出荷頭数は172万7000頭(同5.3%減)とやや減少した。この結果、同年8月1日時点のフィードロット飼養頭数は1103万頭(同2.3%減)とわずかに減少した。中でも主要フィードロットを抱えるコロラド州は、導入頭数が同25.8%減と大幅に減少したことで、全米の導入頭数を押し下げた。現地情報によると、南部を除く放牧地での干ばつ状況が改善し、牧草の生育状況が良好であることが、今期の導入頭数減少の一因とされている。
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、23年7月の肥育牛価格は100ポンド当たり184.01米ドル(1キログラム当たり597.15円:1米ドル=147.20円(注)、同29.1%高)となり、肥育牛の供給不足などから高水準で推移している(図2)。

 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年8月末TTS相場。
 
23年上半期の牛肉輸出量、前年同期比11.3%減
 USDAによると、2023年6月の牛肉輸出量は12万2426トン(前年同月比14.3%減)とかなり大きく減少した(表)。この結果、23年上半期(1〜6月)の牛肉輸出量は71万8331トン(前年同期比11.3%減)となり、牛肉生産量が減産傾向にある中でかなり大きく減少した。
 輸出先別に見ると、上半期首位の韓国向けは16万5706トン(同12.2%減)、続く日本向けは15万4662トン(同16.3%減)、中国向けは12万1349トン(同14.6%減)と上位3カ国はいずれも前年同期を大きく下回った。一方、メキシコ向けは堅調な需要から6万7242トン(同12.4%増)とかなり大きく増加した。
 23年の牛肉輸出量についてUSDAは、前年比9.3%減の145万8000トンと見込んでいる。

 
(調査情報部 伊藤 瑞基)