畜産 畜産分野の各種業務の情報、情報誌「畜産の情報」の記事、統計資料など

ホーム > 畜産 > 畜産の情報 > 5年8月の牛肉生産量、前年同月比1.0%増

国内需給【牛肉】畜産の情報 2023年11月号

5年8月の牛肉生産量、前年同月比1.0%増

印刷ページ
生産量
 令和5年8月の牛肉生産量は、2万6782トン(前年同月比1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(図1)。品種別では、和牛は1万2402トン(同3.1%増)、交雑種は7320トン(同4.1%増)と、いずれも前年同月をやや上回った一方、乳用種は6758トン(同4.9%減)と前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均生産量との比較では、4.5%増とやや上回る結果となった。

 
輸入量
 8月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷の他、米国産輸入量が現地相場の高騰もあり少なかったことなどから、1万7308トン(同11.5%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図2)。冷凍品も、国内の輸入品在庫量が多く、米国産およびカナダ産輸入量が現地相場の高騰もあり少なかったことなどから、2万8333トン(同16.4%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体でも4万5668トン(同14.6%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 なお、過去5カ年の8月の平均輸入量との比較では、冷蔵品は24.5%減と大幅に、冷凍品は6.2%減とかなりの程度、いずれも下回る結果となった。



 
 
家計消費量等
 8月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は179グラム(同2.3%増)と前年同月をわずかに上回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の8月の平均消費量との比較では、8.4%減とかなりの程度下回る結果となった。
 8月の外食産業全体の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)の5類移行後の初めての夏休みシーズンとなり、旅行やお盆の帰省などで人流回復がさらに進んだことなどから、前年同月比16.6%増と前年同月を大幅に上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態では、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、恒例の季節商品が好調であったことなどから、同9.0%増と前年同月をかなりの程度上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風は、定番メニューが堅調であったことに加え、深夜営業を再開する店舗もあったことなどから、同16.2%増と前年同月を大幅に上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、夏休みで大学生などの若年層の集客もあったことなどから、同19.4%増と前年同月を大幅に上回った。
 
推定期末在庫・推定出回り量
 8月の推定期末在庫は、16万381トン(同0.3%増)と前年同月並みとなった(図4)。このうち、輸入品は14万8038トン(同1.0%増)と前年同月をわずかに上回った。
 推定出回り量は、7万521トン(同0.6%増)と前年同月をわずかに上回った(図5)。このうち、国産品は2万6275トン(同1.5%増)と前年同月をわずかに上回った一方、輸入品は4万4246トン(同0.1%増)と前年同月並みとなった。
 
 
 
(畜産振興部 大内田 一弘)