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海外需給【豚肉/カナダ】畜産の情報 2023年11月号

23年の豚肉輸出量、減産の影響から前年比8.0%減の見込み

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23年7月の豚総飼養頭数、前年比1.0%減
 カナダ統計局(Statistics Canada)によると、2023年7月1日時点の豚総飼養頭数は1378万頭(前年比1.0%減)とわずかに減少した(表1)。内訳を見ると、繁殖豚が124万頭(同0.4%減)、肥育豚は1253万頭(同1.0%減)とともに前年を下回った。米国農務省(USDA)によると、カナダ国内の食肉加工処理能力の低下や、同国西部での干ばつの影響が減少の要因とされており、24年も減少傾向で推移するとみられる。

 
23年の豚肉生産量、前年比2.9%減の見込み
 カナダ農務・農産食品省(AAFC)によると、2023年8月の豚と畜頭数は164万頭(前年同月比1.8%増)、23年1〜8月の累計では1432万頭(前年同期比0.5%増)と、カナダ西部で母豚のと畜が進んだことなどから、わずかに増加した(図)。一方でUSDAによると、23年の豚肉生産量は、豚群が縮小傾向にある中で、カナダ東部の大手食肉加工処理施設の閉鎖や労働者不足などを背景に、前年比2.9%減の203万トンと前年をわずかに下回ると見込まれている。

 
23年1〜7月の豚肉輸出量、前年同期比9.1%減
 カナダ統計局によると、2023年7月の豚肉輸出量は8万500トン(前年同月比7.4%減)とかなりの程度減少し、23年1〜7月の累計では60万1900トン(前年同期比9.1%減)とかなりの程度減少した(表2)。同期の輸出量を輸出先別に見ると、首位の米国向けは17万1000トン(同16.1%減)、第3位の日本向けは9万500トン(同21.8%減)とそれぞれ大幅に減少した。また、第4位のメキシコ向けが7万7000トン(同8.4%減)、フィリピン向けは6万2000トン(同34.0%減)、韓国向けが2万7600トン(同13.8%減)と主要輸出先の多くで前年同期を下回る結果となった。一方、第2位の中国向けはカナダ国内の一部食肉加工処理施設を対象とした輸入停止措置が解除されたことから、10万3200トン(同37.1%増)と大幅に増加した。23年の豚肉輸出量は、減産傾向にある中で、国内需要が堅調にあることに加えて主要輸出先からの需要減退などにより、130万トン(前年比8.0%減)とかなりの程度減少すると見込まれる。

 
(調査情報部 伊藤 瑞基)