絵で見る世界の畜産物需給

牛肉
豚肉
鶏肉
生乳

牛肉

　
　2022年の世界の牛肉生産量は、7626万トン（枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2023年6月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、米国（1289万トン）、EU（673万トン）などの先進国のほかに、ブラジル（1035万トン）、中国（718万トン）、インド（435万トン、水牛肉を含む）、アルゼンチン（314万トン）といった新興国である。牛肉消費量は、米国が世界最大の消費国であるが、中国の消費も増加している。一方、EUやロシア連邦など減少に転じたところも存在する。牛肉輸出量は、ブラジル（290万トン）、米国（160万トン）、豪州（124万トン）の順に多い。また、日本への輸出量が多い米国や豪州、カナダ（58万トン）の3カ国で全輸出量の約3割を占める。

豚肉

　2022年の世界の豚肉生産量は、1億2228万トン（枝肉換算ベース、FAO Food Outlook、2023年6月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、中国（5541万トン）であり、これにEU（2246万トン）や米国（1225万トン）などが続く。EUや米国は生産量に占める輸出量の割合が高いが、中国国内の需給緩和を背景に輸出量を減少させている。その他の国では、経済成長に伴いブラジル（435万トン）、ロシア（383万トン）、メキシコ（153万トン）の生産量が増加している。中国以外のアジア地域では、ベトナム、フィリピン、韓国などの生産量や消費量が多い。日本は生産量が129万トンであるが、消費量のおよそ半分の152万トンを輸入している。

鶏肉

　2022年の世界の鶏肉生産量は、1億204万トン（骨付き換算ベース、データが未公表のインドは除く。 FAO Food Outlook、2023年6月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、米国（2099万トン）であり、これに中国（1430万トン）、ブラジル（1447万トン）と続く。このほか、EU（1097万トン）、メキシコ（394万トン）、タイ（330万トン）などで増加している。鶏肉消費量は、最大の消費国である米国が増加した一方、中国（1440万トン）、ブラジル（1002万トン）などは減少に転じている。鶏肉輸出量は、ブラジル（445万トン）、米国（332万トン）、EU（174万トン）、タイ（102万トン）の順に多く、ブラジルと米国で世界の輸出量の約5割（57%）を占める。

生乳

　2022年の世界の生乳生産量（水牛乳含む）は、9億3588万トン（FAO Food Outlook、2023年6月）と見込まれる。主要生産国（国別データは米国農務省）は、インド（2億250万トン）、EU（1億4805万トン）、米国（1億297万トン）などであるが、インドは水牛乳が生乳生産量の約5割を占める。地域別に見ると、最近では、インドやメキシコなどでの生乳生産量の増加が予測されている。2022年の貿易量（輸出量・生乳換算）は8456万トンと見込まれ、その貿易率は9.0％と穀物や砂糖、牛肉、家きん肉などと比べて低い。主要輸出国（地域）は、EU、ニュージーランド、米国、豪州などである。