発酵乳(ヨーグルト)は、乳や乳製品などの乳原料を乳酸菌で発酵させて製造します(図1)。主な乳原料として生乳や牛乳のほか、濃縮乳、全粉乳、脱脂粉乳などが使用され、成分規格により無脂乳固形分8.0%以上、乳酸菌数(または酵母数)1ミリリットル当たり1000万個以上を有しています。また、成分規格はありませんが、ビフィズス菌を使用した製品では乳酸菌と同様に多くのビフィズス菌が含まれています。
発酵乳の大きな特長として、乳を乳酸菌で発酵していること、たくさんの生きた乳酸菌を含んでいることの2点が挙げられます。発酵後に加熱殺菌した製品もあり、このタイプでは生菌が含まれませんが、市場で流通している大部分は生菌タイプの発酵乳です。
発酵過程で乳酸や香気成分が生成され、それによって製品の保存性が向上し、独特の爽やかな風味が得られます。この乳酸発酵によって、乳に豊富に含まれる良質なタンパク質や乳糖が分解され、また、カルシウムも体内に吸収されやすくなります。
さらに、生きたまま腸まで届いた乳酸菌やビフィズス菌は、腸内で乳酸や酢酸を作り、整腸作用を発揮します。
一方、乳酸菌飲料は、発酵乳と同様に乳原料を乳酸菌で発酵させたものに水やシロップを加えて製造します。乳原料として主に脱脂粉乳が使用され、種類別として「乳製品乳酸菌飲料」と「乳酸菌飲料」があります。
乳製品乳酸菌飲料の無脂乳固形分は3.0%以上と発酵乳より少ないですが、乳酸菌数の規格は発酵乳と同一です(発酵後に加熱殺菌したタイプもあります)。
また、乳酸菌飲料は、無脂乳固形分3.0%未満、乳酸菌数は1ミリリットル当たり100万個以上となっています。
このように、生きた乳酸菌を手軽にたくさん取れるよう、飲みやすく作られているのが乳酸菌飲料です。