コロナ禍を経て顕著になった生乳需給の課題に対し、学校給食がない日も「子どもが毎日牛乳を飲む習慣を定着させる」ことでその解決に挑むため、2022年12月に小中学生およびその保護者をターゲットに、酪農乳業関係者、学校、地域などと連携して、「土日ミルク」の名称で取り組みを開始した(図1)。
カルシウムは体にとって大切な栄養素であるが、毎日の食事で必要な量を取ることが難しい。「給食のない日はカルシウム不足になる」という過去の調査結果を踏まえて、毎日牛乳を飲むことの大切さを学べるレシピ付きリーフレットや、休みの日専用のマイコップと併せて、牧場から食卓へ牛乳が届くまでの過程を30日間のシールラリーで楽しめるセットを制作し、全国の小学校へ配布した(図2)。また、特設ウェブサイトでは、育児、おうちごはんなどのテーマで保護者向けにSNSでの発信や、旬のインフルエンサーと健康・栄養の専門家との対談記事掲載などを展開した。
23年6月1日の牛乳の日、6月の牛乳月間においても、酪農乳業関係者を中心としたコミュニケーションパートナーへの活用を推進するため、「愛してミルク?」および「土日ミルク」ツールを無償で提供し、SNSを活用した情報拡散を目的に投稿を促進した。4年目を迎えた「ミルクでつながるありがとうの輪 #ミルクのバトンリレー」は、ミルクファン(消費者)、酪農乳業関係者、「牛乳でスマイルプロジェクト」メンバーが参画し、昨年を大きく上回る投稿数につながった。
23年度下半期の取り組みとして、11月3日に東京都江東区の豊洲公園にて、酪農乳業関係者や「牛乳でスマイルプロジェクト」メンバーと連携したイベント「土日ミルクフェス」を開催した。具体的には、(1)酪農家と交流する場の提供(2)牛乳の味をチェックする五味識別検査体験(3)学校の栄養教諭の仕事について、人と牛乳との絆を描いたアニメーション「ミルクのケビン」と一緒に学ぶ体験(4)スーパーマーケットのポップやポスターを作って牛乳の魅力を伝える販売体験−などを展開した。また、土日に牛乳を摂取することの習慣化を目指し、SNSで人気を擁する漫画家が、牛乳の魅力を伝える漫画を交代で投稿するSNS漫画雑誌「週刊土日ミルク」を創刊している(図3)。
なお、昨年開設した土日ミルクウェブサイトを10月にリニューアルし、本プロジェクトをより多くの方に知っていただき発信いただけるよう、各種データ(ロゴ、牛乳型看板、ランチョンシートなど)を無償で提供している。このように、SNSでの情報拡散や、コラボや自主活用を関係者にお願いし、本プロジェクトが全国へ拡大するように取り組んでいる。