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国内需給【牛肉】畜産の情報 2023年12月号

5年9月の牛肉生産量、前年同月並み

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生産量
 令和5年9月の牛肉生産量は、2万8101トン(前年同月比0.0%減)と前年同月並みとなった(図1)。品種別では、和牛は1万3262トン(同1.4%増)とわずかに、交雑種は7726トン(同3.6%増)とやや、いずれも前年同月を上回った一方、乳用種は6822トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回った。
 なお、過去5カ年の9月の平均生産量との比較では、5.2%増とやや上回る結果となった。

 
輸入量
 9月の輸入量は、冷蔵品は、国内需要の低迷の他、米国産輸入量が現地相場の高騰もあり少なかったことなどから、1万5321トン(前年同月比9.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図2)。冷凍品も、国内の輸入品在庫量が多く、主要国を含むほとんどの輸入先からの輸入量が少なかったことなどから、2万1685トン(同37.9%減)と前年同月を大幅に下回った(図3)。この結果、全体でも3万7023トン(同28.7%減)と前年同月を大幅に下回った。
 なお、過去5カ年の9月の平均輸入量との比較でも、冷蔵品は24.8%減、冷凍品は26.5%減と、ともに大幅に下回る結果となった。
 



 
家計消費量等
 9月の牛肉の家計消費量(全国1人当たり)は161グラム(前年同月比12.0%減)と前年同月をかなり大きく下回った(総務省「家計調査」)。
 なお、過去5カ年の9月の平均消費量との比較では、8.4%減とかなりの程度下回る結果となった。
 9月の外食産業全体の売上高は、ファーストフードでは洋風を中心に秋の季節メニューが好調であった他、他の業態も月後半や土日および祝日を中心に客足が好調であったことなどから、前年同月比15.0%増と前年同月をかなり大きく上回った(一般社団法人日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」)。このうち、食肉の取り扱いが多いとされる業態として、ハンバーガー店を含むファーストフードの洋風は、前述の通り季節メニューが好調であったことなどから、同11.6%増と前年同月をかなり大きく上回った。また、牛丼店を含むファーストフードの和風も、洋風と同様に季節メニューが好調であったことなどから、同16.3%増と前年同月を大幅に上回った。ファミリーレストランの焼き肉は、価格改定の影響により平日の客足に影響があったところもあったものの、食べ放題の店舗では売り上げが堅調であったことなどから、同12.6%増と前年同月をかなり大きく上回った。
 
推定期末在庫・推定出回り量
 9月の推定期末在庫は、15万6326トン(前年同月比5.7%減)と前年同月をやや下回った(図4)。このうち、輸入品は14万3424トン(同5.8%減)と前年同月をやや下回った。
 推定出回り量は、6万8376トン(同6.8%減)と前年同月をかなりの程度下回った(図5)。このうち、国産品は2万6740トン(同1.0%減)とわずかに、輸入品は4万1637トン(同10.2%減)とかなりの程度、いずれも前年同月を下回った。



 
(畜産振興部 大内田 一弘)