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国内需給【牛乳・乳製品】畜産の情報 2024年1月号

10月の生乳生産量、前年同月比3.9%減

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10月の都府県の生乳生産量、前年同月比4.9%減
 令和5年10月の生乳生産量は、59万7849トン(前年同月比3.9%減)と前年同月をやや下回り、15カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は34万2400トン(同3.1%減)、都府県は25万5449トン(同4.9%減)とともに前年同月をやや下回った。北海道は14カ月、都府県は15カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制に加え、今夏の猛暑の影響などによるものとみられる。

 
 
 10月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、33万8010トン(同2.9%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万7259トン(同11.3%減)と前年同月をかなり大きく下回った。
 乳製品向けは、25万6205トン(同5.1%減)と前年同月をやや下回り、15カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万986トン(同4.8%減)と前年同月をやや下回り、チーズ向けは、3万5754トン(同2.5%減)と前年同月をわずかに下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、11万2356トン(同8.9%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
 10月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は27万1827キロリットル(同3.2%減)と前年同月をやや下回り、成分調整牛乳は1万9602キロリットル(同8.3%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万3122キロリットル(同10.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。
 乳製品のうち、クリームは1万105トン(同4.1%減)と7カ月ぶりに1万トンを上回った。
 
10月末のバター在庫量、前年同月比34.0%減
 10月のバターの生産量は、4304トン(前年同月比9.8%減)と前年同月をかなりの程度下回り、14カ月連続で前年同月を下回った(図2)。出回り量は6345トン(同12.1%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。10月末の在庫量は、2万4386トン(同34.0%減)と前年同月を大幅に下回り、18カ月連続で前年同月を下回った(図3)。




 
10月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比39.7%減
 10月の脱脂粉乳の生産量は、9624トン(前年同月比12.2%減)と前年同月をかなり大きく下回った(図4)。出回り量は1万4818トン(同3.2%増)と6カ月ぶりに前年同月を上回った(農畜産業振興機構調べ)。10月末の在庫量は、5万3921トン(同39.7%減)と13カ月連続で前年同月を下回った(図5)。生産量は、2カ月連続で1万トンを下回り、在庫量は、2カ月連続で6万トンを下回った。




 
11月の乳飲料販売数、2週連続で前年同期を下回る
 一般社団法人Jミルクが令和5年11月30日に公表したJミルク需給短信(週報)によると、牛乳類全体の販売個数は、11月以降、前年同期比2.4〜5.0%減で推移している。品目別では、牛乳が同2.1〜4.6%減、成分調整牛乳が同15.2〜19.0%減、加工乳が同1.2〜4.2%増で推移している。乳飲料については、昨年11月の価格改定以降、価格の優位性により増加傾向で推移してきたものの2週連続で前年同期を下回った。
 
(酪農乳業部 橋 沙織)