23年11月のフィードロット飼養頭数は前年同月比1.7%増
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年10月のフィードロット導入頭数は216万4000頭(前年同月比3.8%増)とやや増加し、出荷頭数は175万8000頭(同2.5%減)とわずかに減少した。この結果、23年11月1日時点のフィードロット飼養頭数は1193万1000頭(同1.7%増)とわずかに増加した(図1)。USDAによると、米国の肥育もと牛価格が高騰する中、干ばつの影響を受けるメキシコからの生体輸入の増加が、フィードロット導入頭数を下支えしているとされる。
23年10月の牛肉卸売価格、前年同月比20.5%高
USDA/NASSによると、2023年10月の牛と畜頭数は276万8000頭(前年同月比2.6%減)とわずかに減少した。この結果、同月の牛肉生産量は106万2000トン(同2.6%減)となった。
また、米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、23年10月の肥育牛価格は100ポンド当たり184.66米ドル(1キログラム当たり603円:1米ドル=148.07円(注)、同23.9%高)と大幅に上昇した。これに伴い、同月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー)は100ポンド当たり303.10米ドル(1キログラム当たり989円、同20.5%高)となり、需給がひっ迫する中、前年を上回る水準で推移している(図2)。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年11月末TTS相場。
23年9月の牛肉輸出量は前年同月比17.1%減、輸入量は21.1%増
USDA/ERSによると、2023年9月の牛肉輸出量は10万5008トン(前年同月比17.1%減)と大幅に減少し、23年1〜9月累計では104万9913トン(前年同期比14.2%減)とかなり大きく減少した(表1)。国内生産量の減少に伴う牛肉価格の高騰や、米ドル高による米国産牛肉の価格競争力の低下を背景に、アジア諸国向けを中心に輸出量の減少が続いている。一方で、豪州やニュージーランドから安価な牛肉の輸入量が増加しており、23年9月の牛肉輸入量は14万1940トン(前年同月比21.1%増)と大幅に増加した(表2)。こうした状況を踏まえUSDAは、23年の輸入量見込みを前月予測から1万6000トン引き上げ、165万7000トン(前年比7.8%増)と見込んでいる。
(調査情報部 小林 大祐)