23年1〜10月の鶏肉生産量はわずかに増加
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2023年1〜10月の食鳥(ブロイラー)処理羽数は78億9300万羽(前年同期比0.4%増)、生体重量が1羽当たり2.96キログラム(同0.9%増)となり、処理羽数、生体重量ともにわずかに増加した(表1)。この結果、同期間の鶏肉生産量は1766万4000トン(同1.4%増)と前年同期をわずかに上回った。
23年の鶏肉生産量についてUSDAは、9、10月の肉用鶏卵孵化数の減少などから、前月予測を引き下げ前年並みの2096万トンと見込んでいる。
23年10月の卸売価格は前年同月比7.1%安
USDA/ERSによると、2023年10月の鶏肉卸売価格は1ポンド当たり1.13米ドル(1キログラム当たり370円: 1米ドル=148.07円(注)、前年同月比7.1%安)となった(図1)。同価格は高騰した前年同月を下回っているが、19〜21年の水準を上回って推移している。また、同月の鶏肉期末在庫量は37万2710トン(同3.2%減)となり、9月に続き前年同月をやや下回った(図2)。24年の卸売価格についてUSDAは、在庫量の減少や減産による供給量の低下などから堅調に推移すると見込んでいる。
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年11月末TTS相場。
23年1〜9月の鶏肉輸出量、前年同期比1.3%増
USDA/ERSによると、2023年9月の鶏肉輸出量は25万3478トン(前年同月比5.4%減)とやや減少した(表2)。主要輸出先別に見ると、メキシコ向けは堅調な需要とペソ高の為替相場などを背景に5万6831トン(同1.2%増)とわずかに増加した。一方、フィリピン向けは1万8335トン(同13.3%減)、台湾向けは1万3780トン(同9.5%減)、キューバ向けは1万1900トン(同43.4%減)と、多くの輸出先で前年同月を下回った。23年1〜9月累計では、輸出量首位のメキシコ向けの増加などから、246万2722トン(前年同期比1.3%増)と前年同期をわずかに上回っている。
23年の鶏肉輸出量についてUSDAは、本年第4四半期(10〜12月)の国内生産量の減少が見込まれることから前月予測を下方修正し、325万7000トン(前年比1.5%減)と前年をわずかに下回ると見込んでいる。
(調査情報部 伊藤 瑞基)