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海外需給【牛乳・乳製品/米国】畜産の情報 2024年1月号

23年10月の生乳生産量は前年同月比0.5%減

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23年10月の経産牛飼養頭数は前年同月比0.4%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年10月の乳用経産牛飼養頭数は937万頭(前年同月比0.4%減)とわずかに減少した(図1)。現地情報によると、乳価の上昇や、夏のうちに泌乳量の少ない乳牛の淘汰とうたが進んだことなどにより、7月以降は牛群縮小のペースが鈍化している。
 23年10月の生乳生産量は、飼養頭数の減少から848万7000トン(同0.5%減)とわずかに減少した(図2)。こうした状況を踏まえUSDAは、23年の生乳生産量見込みを前月予測から22万7000トン引き下げ、1億301万1000トン(前年比0.3%増)と見込んでいる。




 
 
23年10月のチーズ卸売価格は前年同月比15%安
 米国農務省農業マーケティング局(USDA/AMS)によると、2023年10月のチーズ卸売価格は前年同月比15.0%安の1ポンド当たり1.72米ドル(1キログラム当たり562円:1ドル=148.07円(注))とかなり大きく下落した(図3)。国内外の需要増を受けて生産量が増加したことで、需給が緩和したとみられる。これに伴い、23年10月の期末在庫量は66万4000トン(同1.2%増)とわずかに増加した。一方、バター卸売価格はホリデーシーズンに伴う需要の増加から、同6.4%高の1ポンド当たり3.38米ドル(1キログラム当たり1104円)とかなりの程度上昇した。
 
(注)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均為替相場」の2023年11月末TTS相場。
 
 
23年9月の乳製品輸出量は全体的に減少も、チーズはやや増加
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2023年9月の主要乳製品輸出量は、アジア諸国での需要減に加え、EU諸国やニュージーランドとの競合により、乳糖およびチーズを除いていずれも前年同月を下回った(表)。品目別に見ると、脱脂粉乳はメキシコやアジア諸国での需要減により、前年同月比20.1%減と大幅に減少した。特にメキシコ向けの減少は、7月以降、為替相場が米ドルに対してペソ安で推移していることも要因とみられる。また、WPC(タンパク質濃縮ホエイパウダー)は中国からの飼料用需要の低迷などから同28.7%減となった。一方で、チーズはEU産の価格が底堅い中、主要輸出先のメキシコや中国の旺盛な需要により、同4.3%増とやや増加した。

 
(調査情報部 小林 大祐)