米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2023年11月9日、23/24年度の世界の大豆需給予測値を更新した(表)。
これによると、世界の生産量は4億42万トン(前年度比7.6%増)と前月から92万トン上方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは前月から据え置かれたが、これに続く米国は単収の引き上げ(前月の1エーカー当たり49.6ブッシェルから同49.9ブッシェル)により69万トン上方修正された。
輸入量は、世界全体で1億6575万トン(同0.4%増)と前月から据え置かれた。
消費量(搾油仕向け)は、世界全体で3億2947万トン(同5.1%増)と前月から98万トン上方修正された。このうち、最大の消費国である中国は9800万トン(同3.2%増)と前月から100万トン上方修正された。
輸出量は、世界全体で1億6829万トン(同1.6%減)と前月から5万トン上方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジル、これに次ぐ米国は、いずれも前月から据え置かれた。
この結果、期末在庫は1億1451万トン(同14.2%増)と前月から111万トン下方修正されたが、引き続き前年度水準をかなり大きく上回っている。
米国の状況について現地情報によると、米国の単収増は業界予測を上回る水準であり、生産量が増加する中で消費量、輸出量ともに据え置かれたことで、期末在庫は想定を上回ったとされる。一方で南米については、ブラジルなどで報告されている乾燥気候の影響が今回の予測値には加味されていないことから、今後の南米の生産動向に注視が必要とされている。
(調査情報部 横田 徹)