11月の都府県の生乳生産量、前年同月比4.5%減
令和5年11月の生乳生産量は、57万8938トン(前年同月比3.0%減)と前年同月をやや下回り、16カ月連続で前年同月を下回った(図1)。地域別に見ると、北海道は33万179トン(同1.9%減)、都府県は24万8759トン(同4.5%減)とともに前年同月を下回った。北海道は15カ月、都府県は16カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。これは生産抑制などによるものとみられる。
11月の生乳処理量を用途別に見ると、牛乳等向けは、31万4340トン(同2.0%減)と前年同月をわずかに下回った。このうち、業務用向けについては、2万7232トン(同7.5%減)と前年同月をかなりの程度下回った。
乳製品向けは、26万723トン(同4.3%減)と前年同月をやや下回り、16カ月連続で前年同月を下回った。これを品目別に見ると、クリーム向けは、6万3724トン(同0.1%増)と前年同月並み、チーズ向けは、3万4587トン(同8.4%減)と前年同月をかなりの程度下回った。脱脂粉乳・バター等向けは、11万7237トン(同6.7%減)と前年同月をかなりの程度下回った(農畜産業振興機構「交付対象事業者別の販売生乳数量等」)。
11月の牛乳等の生産量を見ると、飲用牛乳等のうち、牛乳は25万4807キロリットル(同1.8%減)と前年同月をわずかに下回り、成分調整牛乳は1万8213キロリットル(同8.2%減)と前年同月をかなりの程度下回った。加工乳は、1万3288キロリットル(同4.9%増)と前年同月をやや上回った。
乳製品のうち、クリームは1万627トン(同2.3%減)と前年同月をわずかに下回った。
11月末のバター在庫量、前年同月比36.3%減
11月のバターの生産量は、4408トン(前年同月比7.0%減)と前年同月をかなりの程度下回り、15カ月連続で前年同月を下回った(図2)。出回り量は7740トン(同11.4%減)と前年同月をかなり大きく下回った(農畜産業振興機構調べ)。11月末の在庫量は、2万1595トン(同36.3%減)と前年同月を大幅に下回り、19カ月連続で前年同月を下回った(図3)。
11月末の脱脂粉乳在庫量、前年同月比41.5%減
11月の脱脂粉乳の生産量は、1万605トン(前年同月比5.6%減)と前年同月をやや下回った(図4)。出回り量は1万4322トン(同4.1%減)と前年同月をやや下回った(農畜産業振興機構調べ)。11月末の在庫量は、5万215トン(同41.5%減)と14カ月連続で前年同月を下回った(図5)。生産量は3カ月ぶりに1万トンを上回った。
令和6年度の加工原料乳生産者補給金単価、2年連続で引き上げ
令和5年12月13日に開催された「食料・農業・農村政策審議会畜産部会」において、畜産物価格の算定について諮問・答申が行われ、同年12月28日に加工原料乳生産者補給金単価は前年度比0.23円引き上げとなる1キログラム当たり8.92円、集送乳調整金単価は同0.03円引き上げとなる同2.68円、総交付対象数量は、前年度から5万トン減の325万トンと定められた(表)。なお、バターと脱脂粉乳の需給不均衡改善や物流2024年問題に対応するため総交付対象数量を超えた部分の数量(18万トンを上限)について、関連対策として畜産業振興事業により支援する措置が請じられる予定である。
(酪農乳業部 山下 侑真)