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海外需給【牛肉/米国】畜産の情報 2024年2月号

23年12月のフィードロット飼養頭数、3カ月連続で前年を上回る

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23年11月の牛肉生産量は前年同月比5.8%減
 米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)によると、2023年11月の牛と畜頭数は268万1000頭(前年同月比6.1%減)とかなりの程度減少した。この結果、同月の牛肉生産量は103万5000トン(同5.8%減)となり、6カ月連続で前年同月を下回った(図1)。現地情報によると、牛群の縮小局面にある中、食肉処理加工業者(パッカー)の収益率の低迷から、と畜頭数が減少しているとされる。
 また、同月のフィードロット導入頭数は186万8000頭(同1.9%減)とわずかに減少し、出荷頭数は175万1000頭(同7.4%減)とかなりの程度減少した。この結果、23年12月1日時点のフィードロット飼養頭数は1200万6000頭(同2.7%増)とわずかに増加し、3カ月連続で前年同月を上回った(図2)。こうした状況を踏まえUSDAは、24年の牛肉生産量予測を前月から8万2000トン引き上げて1178万9000トン(前年比3.5%減)としたものの、依然として前年を下回っている。




 
23年11月の肥育牛価格は高止まりも、前月比で1.6%安
 米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2023年11月の肥育牛価格は、飼養頭数が減少基調にあって、と畜頭数も減少している中で100ポンド当たり181.71米ドル(1キログラム当たり572円:1米ドル=142.83円(注1)、前年同月比16.5%高)と大幅に上回った(図3)。ただし、前月比では1.6%安とわずかに下落している。また、同月の牛肉卸売価格(カットアウトバリュー(注2))は、肥育牛価格が高止まりする中で100ポンド当たり299.30米ドル(1キログラム当たり942円、同15.3%高)となった。
 
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2023年12月末TTS相場。
(注2)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。

 
23年10月の牛肉輸出量は前年同月比20.5%減
 USDA/ERSによると、2023年10月の牛肉輸出量は10万9533トン(前年同月比20.5%減)と大幅に減少し、23年1〜10月累計では115万9446トン(前年同期比14.9%減)とかなり大きく減少した(表)。10月の輸出量を輸出先別に見ると、メキシコ、台湾向けは前年同月を上回ったものの、それ以外の主要輸出先向けはいずれも前年同月を下回った。国内牛肉価格の高騰に加え、豪州産牛肉との競合や、中国をはじめとするアジア諸国での需要減が要因とみられる。23年の輸出量についてUSDAは、137万4000トン(前年比14.5%減)と見込んでいる。

 
(調査情報部 小林 大祐)